GPUをビジネスアプリでも使うのだ
GPU(Graphics Processing Unit)といえば、3D用のチップでおもにPCでゲームをバリバリやるという方々には必須のもの。このGPUをビジネスアプリでも使いまくるのだ、という主旨の話を聞いたのが本日の「Microsoft ON@ITmedia オルタナティブ・ブロガー」でのこと。
今回のオンライン・セミナーは、先頃ヒューストン社長が宣言していた「Microsoft On-出張ワークショップ 最新技術を学ぶ」という開発者とITプロフェッショナルの満足度向上のための活動の1つ。実際に技術者のもとに出向くのではなく、今回はLive Meetingという形式でワークショップをおこなったわけだ。
今回のお題は「Windows VistaとWindows開発環境の進化」というもの。参加していた方々は、時間が短くて物足りなさを感じたかもしれない。駆け足でWindows Vistaがどういうコンセプトで世の中に投入されようとしているかということと、新しいWindowsの開発環境の進化についてのデモを交えたオンラインセミナーだった。
Vista投入の背景として、社会がソフトウェアにこうあって欲しいと望むことの実現のところと、先に技術があってそれをどう活用するかという部分の双方をとり込んでいるのだというところでとりあえずフムフムと思い、さらに次世代としてモバイルとかでより便利になるであろうことを、「OSレベル」で実装しているのだ、というところで情報家電とかが視野に入ってるのだなと感じたりしていた。Vista自体はOSという観点で見ると、なんだかオーバースペックな気もしてくるが、逆に考えるとハードとソフトの境界線がすごく曖昧になってきたのかなとも感じたりもする。
ちょっとオーバースペックじゃないの、とより強く思ったのが開発環境のほうだ。XMLベースのXAML(ザムル)で簡単に3Dのアプリができちゃいますよってことがデモを交えて紹介(オンラインではデモはうまく見られなかったが、ブロガーの前では回転するキュウブの表面で動画再生なんていうのが見られた)されたりしてた。これは、昨今ではデスクトップPCなら当たり前のように搭載されているGPUの3D機能を、ビジネスアプリの領域でも使っちゃいましょうってことらしい。つまり、既存技術をどう活用するかという部分だ。
たしかに、イメージ入りの文書が自由に拡大、縮小でき、そのとき文字のエッジも「きれいに表現」なんてことが実現でき、メニューにイメージ貼り付けたりで表現力も格段にアップするようだ。しかしながら、ビジネスアプリにそこまで必要なのか。さらに、これを動かすにはGPUが必須だとか。無いとGPU対応の部分だけが抜け落ちたものになるとかで、旧来環境と共存させる際は、作る側がかなり苦労することになりそうだとか。
たしかに現時点では、ビジネスエリアにこれはオーバースペックじゃないのという気もするのだが、近い将来にはやっぱりビジネスアプリだとしてもかなりリッチなクライアントになるだろうと強く思うところもある。というのも、先日参加したガートナーのSOAセミナーで、Web2.0とSOAの関係についてのセッションでも語られていたことだが、かつてはビジネスのテクノロジーがコンシューマに降りてくるというものだったが、現在はコンシューマのほうが早くに先端技術を採用しそれがビジネスの世界に入ってくる時代。インターネットがまさにそうであったり、マッシュアップなんていうWeb2.0的な発想もコンシューマが先でビジネスがその後だというのだ。
ということで、いまいまはオーバースペックではないかとも思うけれど、GPUを使いまくったグリグリ3次元で動くインターフェイスのビジネスアプリが近い将来は主流になり、そのころまでには高性能GPUを搭載したパソコンへの買い換え特需が確実に起こるってことになるわけだ。かなり、強引な結論づけではありますが。