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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

Transmeta再び

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 しばらくメインで使っていたノートPCは、TransmetaのCPUを搭載したCASIOのFIVAだった。小さくて軽く、電池も長持ちで気に入ってはいたのだが、メモリが十分に搭載できなかったこともあり、結果的には遅くていらいらすることに。ここ最近は、健在なのだけれど電源を入れていない。

 

ITmediaのニュースによると、そのTransmetaの『FlexGo』専用プロセッサについて、AMDがOEM契約したとのこと。

 FlexGoは、マイクロソフトが先頃発表した都度払い方式のPCの技術。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)や、ハンガリー、メキシコ、スロベニア、ベトナムなどの新興成長地域向けに提供されることになる。初期導入コストを下げることで、新しい市場で幅広いユーザーを獲得しようというものだ。

 マイクロソフトとしては海賊版が横行したりLinux陣営と価格面で真っ向から戦うよりは、こういった方法を用い新しい市場で確実に「数」を稼ぎたいということになるのか。うまくいけば、たしかに数は出そうな気がする。

 

Transmetaの製品は、低消費電力で発熱を抑えるといったところでは先行していたものの、時代がそれについてきていなかった。いまでこそ、コンピュータの世界でもエコが叫ばれるようになったが、当時の状況としては速さを追求する波に飲み込まれ沈んでしまったといったところか。

 Transmetaが今回のFlexGo用のプロセッサ『Efficeon』で組むのは、なんとAMDだ。コンペと組むことで、復活に掛けるのか。AMDもFlexGo用のプロセッサは開発していくようだが、対インテルを考えていち早く製品を投入できる方法を選択したことになる。先行リードのあるうちにいかに市場を獲得できるかで、その後のインテルとのレースの厳しさが変わるであろう。レース中盤あたりのAMDが自社製品を提供するころに、Transmetaがどのような状況になっているかが、ちょっと気になるところだ。

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