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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

テストの重要性

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 なんと、Amazonで立ち読みができるようになるとか。ただでさえ書店に行く機会が減っているのに、これが活用できるようだとより足が遠のきそうだ。

 一昨日、経理関係の参考書を探すために、久しぶりに長い時間を書店で過ごした。目的の本はすぐみつかり、あとはビジネス書から小説、バイク雑誌に漫画まで書棚を渡り歩いた。目的があったわけではないが、最後にコンピュータ書籍のコーナーへ。そこで技術評論社から6月に発行されていた『ソフトウェア・テスト PRESS Vol.1(ISBN4774123978)』をみつけた。翔泳社からは、『開発の現場(Vol.001 ISBN4798109185, Vol.002 ISBN4798109738)』という雑誌(雑誌形態の書籍)が出ていたのは知っていたが、テストだけを取り上げていたこちらには気づいていなかった。ちなみに『開発の現場 Vol.001』の特集は「まるごと理解 設計&テスト」というもの。

 昨日の東証の事故では、テストが不十分だったとの報道もあった。本番を想定してあらゆるケースをテストしたいところだが、現実は時間もリソースもコストも足りずに限定的なテストで済まさざる得ない。とはいえ、肝心なテストを見逃したのが今回のトラブルの要因であれば、テストフェーズの責任の所在が追及されそうだ。

 ここ最近、開発現場では「テスト」に関心が集まっているというのは聞いていた。実際、コストを下げ短期間での開発を強いられるため、ソフトウェアの品質を上げるのが難しい状況にある。テストにかけられる時間も少ないため、軽やかかつ効果的なテストが望まれている。日本はとくに、開発者がテスト実行者を兼ねるケースも多い。そうなると自らの「作品」に対し客観的な判断ができなくなるかもしれない。そもそも開発フェーズで極度に疲労していて、早くテストを終わらせたい心境であろうし。

 だからというわけではないが、テスト専門の技術者がもっとこの業界に増えてもいいのではないだろうか。いつも思うのだが、欧米では管理者、開発者などの職種がきちんと定義されていて、それぞれが連携して機能しているようにみえる。汎用機の時代は日本でももう少しそのあたりがはっきりしていた気もするが、オープン系になってこれが一気に崩れたようだ。

 そんなこんなで、テストフェーズに焦点を絞った技術評論社の編集部は、なかなか目の付け所がいいと思う。ちなみに、ソフトウェア・テスト PRESSのVol2は12月に発行予定とのことだ。

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