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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

OOWこぼれ話 その2

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 日本ではあからさまに競合他社に対する嫌がらせ的なマーケティング活動はあまりみられないが、米国ではときどきおかしな競合対策がみられる。

db2 これも、効果はどれほどのものなのか。先週は、Oracle OpenWorld一色という感じのサンフランシスコの街だったが、ところどころにこんなサインも掲示されていた。ただし、メインのストリートはオラクルに占領されているので、これはすこし中心からははずれたあたりに。ちょっと、治安という意味では怪しいあたり。これを見に行くために歩いていくには、勇気がいりそうだ。

 IBMのDB2を、次期主力製品となるOracle Fusion Applicationsでサポートするかを検討しているオラクル。OOWでは、IBMとのパートナーシップも強調されていたし、展示会場ではマイクロソフトが大きなブースを構えRACのプレゼンテーションをおこなっていたりもした。競合関係とパートナーシップ、仮想敵の存在はマーケティング活動を容易にする面もあるが、ビジネスでは片手で握手をして一方で拳を握り締めているような状態か。

 もともとオラクルとIBMはデータベースでは競合関係だが、SIやハードウェアは強力なパートナーだ。マイクロソフトにしても、Windows 2003 Serverをエンタープライズ領域で拡販していくには、オラクル製品のサポートは欠かせない。オラクルにしても、いくらLinuxが伸びているとはいえ、圧倒的な実績を誇るWindows環境は無視できるものではない。

 買収が進むと業界の地図がどんどん塗り代わり、競合関係も複雑になる。これからの3年間くらいは、オンデマンド市場も含めエンタープライズ・ソフトウェアの市場を大きく変革する時期になる予感がする。

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