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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

ソフトウェア開発の売上げ計上タイミング

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 毎日新聞に「経産省裏金:新たに1573万円、うち970万円流用か」なんて記事が掲載されたかと思えば(朝日新聞は同様の記事が3日の朝刊の1面に)、朝日新聞には「IT業に会計指針 経産省研究会、相次ぐ不祥事受け」といった記事が。同じ経産省でも、きっと関わっている人がまったく違うのでしょう。同じだったら相当怖い。裏金作っている人に会計指南は受けたくない。

 経産省に問い合わせたところ、この会計指針は同省の情報政策課が取りまとめている。8月3日時点ではまだ公開されておらず、来週以降に報道発表もしくはホームページなどで公開されるとのこと(現時点ではどういうかたちで公表されるかは、公式には未定)。

 自分が経営に参画している会社は、IT業というかソフトハウス的な業務をおこなっている。経営者としての経験は6年ほどで、まだまだベテランの域には達していない。これまでに一度だけ、税務調査の経験がある。その際、税務署の担当者から指摘されたのは、来期に検収が予定されている案件の今期中の作業ぶんは今期の売上げに計上しましょうというもの。それまで、請求書を発行したタイミングつまり納品して検収を受けたタイミングで売上げ計上としていた。このときは、指摘に応じて結果的には修正申告をすることに。

 売上げを今期にずらすと結局は来期の売上げが減るので、全体としてはプラスマイナスでゼロになる。このときも納得できなったが、ソフトウェア開発は、検収を受けるまでお金になるかはわからない。そう考えると、今期中に作業してるからといって計上しろというのは、どう考えてもおかしくないだろうか。検収時にダメ出しされ結果的にお金にならなかったら、前期に遡って売上げはなかったことにするのだろうか。

 経産省の報告の内容はわからないが、朝日新聞の報道によると、研究会が指摘したIT取引のおもな問題事例として、

【売上高の早期計上】開発の工程ごとに、契約通りの要求を満たしているかどうかのチェックを受けず売上高を計上

が挙げられている。上のケースは、これに当てはまらないだろうか。少なくとも金額が確定していない段階で、売上げの一部を計上できる。次回、税務署の方が調査にくることがあれば、このあたりについてじっくり、納得いくまでお話させていただこうと考えている。そのためにも、経産省の報告書を入手して、しっかり頭に入れておきたい。

 税務署側の見解うんぬんもあるのだが、この問題の根本的な理由の1つとして見積もりを人月単価の積上げで計算するという「ソフトウェア業界の悪しき伝統」がある。つまり税務署側は、技術者を細切れにして時間単価で売っているように見えるということ。そうなると、今期にやった作業量ぶんの売上げは計上してね、といいたくなるのも理解できる。もちろんそういう契約で業務を請け負うこともあるが、一括で請け負う場合もあるわけで、一括の場合は仕事の規模と難易度を人月と期間で表している。このあたりを税務署側に理解してもらうのは、かなりやっかいなことなのかもしれない。

Comment(2)

コメント

税務署の「見解」なんて、朝令暮改でコロコロ変わるものですから、数年後に何いってるか、分かったものではありません。

それはそれとして。
発生主義と実現主義のどちらをとっても、まだカネになると確定していないものを売上に計上させるなんて、ムチャクチャです。その担当者、よほど何か、増差を稼いで帰らないとヤバイ事情があったんでしょうね。

書籍の仕事もスパンが長いので、年をまたぐことがあるんですが、「(まだ未刊行で印税になってないのに) 前年に作業した分は前年の売上に計上しろ」なんてぬかしたら、裁判起こして最高裁まで争っちゃいますよ。

井上さん、コメントどうも。前回やってきた税務署の担当者は、土日の経費にも文句いいたそうでした。おいおい、土日に仕事してないのは君たちだけだよみたいな。現場にやってくる担当者に文句いっててもしょうがないんですけどね。裁判までするかはわかりませんが、納得いかないことはいかないとはっきり言うべきかとは思ってます。

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