オルタナティブ・ブログ > 森崎修司の「どうやってはかるの?」 >

計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

ソフトウェア開発の請負/人材派遣とノウハウの話

»

最近、知人やいくつかのMLで話題にあがっていたwebの記事がある。"改めて考える「日本のソフトウェア産業,衰退の真因」と復活策"である。「日本のソフトウェア産業,衰退の真因」という元の記事がベースになっていて、問題点の指摘が中心であった元記事に解決策を加えている。ソフトウェア開発の海外へのアウトソースを原因とするノウハウの流出や技術者派遣の形態を原因とする技術者の質やスキル向上に関する指摘がある。

記事は示唆に富んでいる。特に、元の記事の後半に書いてあるプロフェッショナル意識を持つことには大いに賛成である。松原先生の記事に私が感想を書くのは恐れ多いが、1点だけ、対象を「日本のソフトウェア産業」とされているが、実際にはエンタープライズ系(IT系,IS系)ソフトウェア開発の視点を中心として書かれているように思う。家電や自動車をはじめとする組込みソフトウェアでは、ノウハウの流出については十分に慎重で、アウトソースがきっかけとなってノウハウが海外に出ていく心配はあまりないのではないかと思う。エンタープライズ系請負開発では、ユーザが製造(コーディング)工程を海外へアウトソースすることを指定してくる場合もあり、記事で指摘されているとおり考慮が必要だと思う。

Comment(0)