タイ国の真実らしきもの その32 結婚と学歴
タイ人にとっての結婚は、日本のお見合い結婚に、ある意味似ています。
どういうことかというと、ある程度、同じ資産、同じ教育を受けた者同士が結婚するということです。
日本でも、今はそんなことありませんが、数十年前までは、同様なことがありました。
ですから、タイにおける教育のランクとは、とても大きなものなのです。
大卒の女性は、極論として、大卒の男性以外とは、結婚したくないということです。
また、裕福な家庭では、貧困な家庭との恋愛としてのお付き合いを禁止したりします。
これは、家族だけではなく、親戚とか親族一同に対する考え方というもので、仮に、それを無視した場合、親族からの祝福を受けられなくなるばかりでなく、家族も親族から疎遠になるという大変辛い結果が待っています。
(もちろん進歩的考え方の人達もいますが、まだ古い考えが主流です。)
ということは、一度、貧困な状態となり、親族一同がその状態にある場合、結婚等による資産の増加は望めず、ある意味、ずっと貧困な状態のままです。田舎暮らしなら、そのまま田舎でずっと暮らすということになります。
普通に考えて、貧困な状態からの脱出方法は、高学歴でスキルを磨き、良い会社に就職して、裕福な状態に近づけるということだと思うのですが、中々タイではその方法が使えません。
大学に行くにしても、一流大学は、ほとんどが都市部にあり、田舎からは通えません。
仮に田舎で農家を営んでいるとして、衣食住には困らないとしても、現金収入が少なく、仕送りができない、アルバイトしても生活できない、ということになります。
都市部で大学に行くためのお金を親族が援助してくれるわけもなく、結果としていくら頭が良い人物でも、良い大学にはいけないということになります。
トランプの大貧民の大貧民状態となって、そこから抜け出すことは、とても大変なこととなり、何世代もそのままということになります。
日本では土地ブームが起きて、田舎の土地が資産となり、そのお金で親族一同裕福ということがありましたが、現在までのところ、タイではそのような現象は起きていません。
そのくらい、学歴とか資産とかがタイでは重要視されます。
私がタイの会社で社長をするとき、私が大学卒だったことは、最低限必要なことだったようです。
表面上はともかく、大卒の人間が働く会社、しかも外資系の会社の社長が大卒でないということは、タイの社員にとってあまり良い影響を与えなかったと思えるからです。
タイでは、上下のけじめがしっかりしていて、社長の言うことは聴けても、直接の上司でなければ、日本のスタッフでさえ言うことは、聞き流したりします。
社長は一応尊敬する存在でなければならず、そのためには表面上は裕福であり、高学歴である必要があるのです。
もちろん、この例は、わが社の例で、大きな会社ではそんなこと気にする必要も無いでしょう。
社長の顔さえ見たことがない、くらいの会社なら全く問題にならないはずです。
まあ、そのぐらい、タイにおける学歴は、重要視されるということなのです。
ですから、大卒の人は働きながらでも大学院卒を目指してがんばりますし、高齢になっても大学に入って卒業したいと思うもののようです。
あるタイ人の友人は、大学を卒業することは、両親への贈り物と言っていました。
昨今日本では、大学の意味がいろいろ問われたりしています。
もし日本でも、大学に行くこと、良い学歴を残すことが、両親への贈り物だと思えるなら、もって良い大学生活を送れるような気がします。
今日はここまで、またいつか御会いしましょう。