タイ国の真実らしきもの その9
今日はタイの田舎の話です。
もう何年も前になりますが、友人の伝で、チャンライの山奥で休暇を過ごしたことがあります。
その友人曰く、「タイを理解したいのなら、ここから始めましょう。」との事でした。
私は軽くOKしたのですが、行ってびっくりです。空港からバスで近くの町まで行きます。そこからの交通手段が無いのです。
バイクタクシー(モトサイラプチャン)と交渉し、道無き道を進みます。車で行く方が簡単そうですが、正直普通の車では入っていけませんし、タクシーが無いのですから車で行くことは我々にはできません。
道は、もちろん舗装されていませんし、石が敷いてある訳でもなく、単に粘土層が出ている子供が遊びたがるような状態です。水はけが悪く、斜度30度はあるのは無いかという坂をモトクロス並みに上っていきます。何度も落ちそうになりましたし、正直あきれていました。
途中で大木が倒れていて、ピックアップの車が止まっています。大木をよけて、より道なき道を行こうとして、嵌ってしまった様子です。
何のためらいも無く、モトサイラプチャンが止まり助けると言います。友人は無言で手伝います。結局モトサイラプチャンの二人と友人と私で4人がかりで車を動かします。30分ほどで抜け出て、車の運転手といろいろ話すと、どうもわれわれが行く村へ帰る途中だとか(後で考えたら、それ以外いく必要の無い道でした。)モトサイよりはこちらが楽だからとピックアップの荷台でよければ乗せていくとのことです。正直モトサイの後ろに乗り続け、お尻が痛くなっていた状態でしたので、お願いして、モトサイラプチャンとはそこでお別れしました。
そこから、1時間ほど揺られて、目的の村に着きました。結局、朝から飛行機に乗り、目的地に着いたのは、午後4時頃でした。
村には、電気がありません。水道もありません。外部との通信手段は、公衆電話だけです。携帯電話も通じません。
私は、本当にとんでもないとこに来てしまったと思いました。
友人は何度か来たことがあるらしく、村の人に私を紹介します。
小さな子供が来ると、用意して持ってきた日本のお菓子を、少しづつ子供に渡します。
6時近くなると辺りは暗くなります。一部の家では、古い車のバッテリーを利用した蛍光灯を点けます。ほとんどの家では、ランプかロウソクです。移動には懐中電灯が欠かせません。隣の家に行くのはもちろん、トイレにいくのにも辺りは真っ暗で何も見えないからです。
食事は、タイの田舎料理だけです。お酒は自分達で作っているドブロクです。しかし、とても美味しかった。豚をただ焙っただけの物、鶏を蒸したもの、山菜を茹でた物、どれもそれだけでは味がありません。自然の味です、すべて自家製のタレ(唐辛子やら何やらを砕いて、ナンプラー等に漬けた物。ナンプリックの一種。)を付けて食べます。
ご飯はもち米で手で捏ねて食べます。本当に美味しくて、豚肉、鶏肉は取れたてだし(つぶし立て、鶏はさっきまで走っていたものです。)、もち米は自分達で食べる用のものです、ですから、見てくれはともかく(虫に食べられた痕がたまにあります。)農薬を使わず作ったものです、美味しくない訳がありません。
ドブロクも同様で、私は結構日本酒とか好きでいろいろ飲みますが、ここのは、旨すぎます。無濾過でもち米だけで作った酒です。不味いはずがありません。実は友人と私でジョニ黒をお土産に渡したのですが、洋酒なんて飲んでいる場合では無い美味さです。(もちろん、お世話になるお宅でジョニ黒はものすごくよろこんでくれました。)持ってきたジョニ黒を私達に注ごうとしてくれますが、もちろん遠慮して、ドブロクをがばがば飲みました。
今日はここまで、またいつか御会いしましょう。