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グローバルIT時代にクリエイターはいかに対応するべきか?を考えます

〈書評〉「100円のコーラを1000円で売る方法」を読んで自分を振り返る 【読了目安: 2分】

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私の昨年の仕事の割合は、フォトグラファー5、レタッチャー4、3DCGクリエイター1、くらいの割合です。
新規事業である3DCGを写真撮影に匹敵するレベルまで育て、はたまた3業種の間で相乗効果を出していくためには、更なる努力と工夫が必要であると感じています。
そこで最近、マーケティングの勉強を始めました。

わかりやすそうな本を探して、結果的に同じオルタナブロガーの永井孝尚さんの著書をセレクト。
最初に「100円のコーラを1000円で売る方法」、次に「バリュープロポジション戦略50の作法」を読みました。
私見ですが、この2冊の本は、基本的に同じことが書いてあります。違うのは切り口です。

誤解を恐れず、わかりやすく言い切ると、前者は「もしドラ」です。
物語形式で、私のようなマーケティング初心者でもスッと内容が入ってきます。

後者は「本家 ドラッカー」
もしいきなりこちらから読んでいたら、マーケティングというものに全く触れたことがない私のような人間だと、所々ピンとこなかったかもしれません。でも、前者を読んだのちにこちらを読むと、より理解が深まるし、あとで見直す時も見やすいです。
(基本的には非常にわかりやすい本です。私に免疫がなかったための感想だと思います。)

この本には様々なマーケティングのノウハウが載っているので、私は最初、消化不良を起こしました。
「何かスゴイ!ここには僕に必要なことが載っている」と、直感で感じたものの、 自分の現実にどう落とし込んでいけばいいのかわかりませんでした。

しばらく考え続けて、最近やっと自分のスタンスが固まってきたので、それを書くことで書評となればいいなあと思います。

今までマルチクリエイター戦略と銘打って3つの肩書きで活動してきたのは、私にとっては自らのリスクヘッジが第一目的でした。
変化の激しい時代に、ひとつの職種に依存する状態を回避するためです。
それは一定の効果を発揮してはいましたが、出発点が自己都合のままでは、いずれ体質的に限界が来るだろうと考えています。

自分なりに仕事は一生懸命やってきました。
「クライアントの仕事がスムーズに回るためなら、何でもやる !」
それくらいの気持ちでシャカリキにやってきたつもりです。

でも、「100円のコーラを1000円で売る方法」の中には、正にそういった主人公が出てきます。
小説のキャラクターとして極端に描かれているため、最初は自分と重ねあわせてはいなかったのですが、自分と結構似ている部分がある気がします。(笑)
劇中で、彼女は必死に頑張る割には結果がでないという状態に追い込まれます。
「お客様が言っていることなら何でもやる」というのは、極論すれば「頑張れば誰でもできること」なので、過当競争に飲み込まれていってしまう、という理由だったと思います。
これは、多くの日本人が、現在陥ってしまっている状態だそうです。

じゃあ、どうすればいいのか?
この2冊の本を読んで、私は以下の結論に至りました。

1 過当競争のレッドオーシャンから一歩抜け出すために、まずはお客さんのことをよく観察しよう。
2 そして、「競合他社が提供できない」「自社が提供できる」「顧客が望んでいる」価値を見つけよう。(バリュープロポジション、と呼ぶそうです。)
3 お客さん自身も気づいていないような価値を見つけられたら最高だ!

今まで「フォトグラファーだけで関わっているお客さん」とか、「レタッチャーだけで関わっているお客さん」とかの日々の様子をよく観察して、「3種の肩書きを持っているからこそ提供できて、お客さんも気づかなかった新しい価値」を見つけるぞ

私は長いスパンをかけて、コツコツとこういった試みをしていくことにしました。

新しい答えや目標が見つかった時、僕は嬉しくなります。
課題があるってことは、僕はまだまだ成長できるぞ!って。

今からまた、新しい目標に向かって頑張ります。
こういう気持ちにさせてくれる本って、素晴らしい!と、思いました。


月2回。1日と15日に更新予定。 「グローバルIT時代のフォトグラファー
(私のプロフィールは、「御園生大地 作品サイト」まで。)

(次回も、キャリア戦略に完成する本の書評に挑戦します。4月15日の00:00にアップ予定です。)

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