破壊と創造がスピード競争したら、破壊が勝つのは仕方がないかもしれない。(ひとまず今は)【読了目安: 2分】
当エントリーをご覧いただきありがとうございます。
フォトグラファーの御園生大地です。
IT技術が世の中を変えていくスピードは凄まじく、ちょっと前に比べると日々の生活はとても効率的になりました。
知らないことがあったらその場でGoogle検索すればすぐ出てくるし、Evernoteがあるから多くのことを記憶しておく必要がなくなったし、画像も文章もDropboxに入れておけばいつでもどこでも閲覧できるので資料を探すということがなくなったし、行き先をちゃんと調べておかなくてもGoogle Mapsやナビゲーションアプリで目的地に着けるし、iPhone持っていれば水準器も懐中電灯も電卓もカメラも手帳もカレンダーも読書も辞書も何とかなります。傘を持っていったほうが良い日は、朝イチでスマートフォンに通知が表示されるし、自分の近くで雨が振ったら通知が来るのですぐに気づきます。ちょっと時間が空いたらRSSリーダーを開けば、自分の興味のある記事が読み切れないくらいの分量で列挙されているので、ムダな時間というものがほとんどありません。
こういったものが自分の生活に矢継ぎ早に入ってきた時期、というのが一時期あって、その頃は毎日非常に刺激的でした。
でも、スマートフォンや、Webサービスが次々と普及し始めた頃に比べると、ちょっとここのところ変化のスピードは一時期ほどではないかな?とも思っています。
最近はスマートフォンという商品自体がコモディティ化の兆し、とか言われるし、革新的なWebサービスも個人的にはここのところ出会えてないし…
と、寂しい気持ちもありつつ?ちょっとホッとしたような気持ちもありつつ?な、最近です。
ホッとすると同時に、最近は、日々の生活がITで効率的になればなるほど、人間の仕事が要らなくなっていることについて、以前より気になるようになってきました。
知らないことがあったらその場で検索すればすぐ出てくる → 図書館とか、百科事典が以前より必要なくなるかもしれない
Evernoteがあるからほとんどの事は記憶しておく必要がない → メモ帳やペン、付箋を使う機会が減るかもしれない
iPhone持っていれば水準器も懐中電灯も電卓もカメラも手帳もカレンダーも読書も辞書も何とかなる → もともとは、全て作っている人がいるモノが、今や無料のオンパレードです…
でもその分、新しいWebサービスを作る人の仕事が増える、とも言えるかもしれませんが、それはどうやら失業者の方のセーフティーネットとしては不十分な気がします。
なぜなら、それらの新サービスを生み出す為に必要なマンパワーは、かつての非効率かもしれない旧サービスを運用するのに必要なマンパワーに比べてはるかに少なくて済みそうだからです。
これは、生活が効率的になったからって、スゲエ!なんて言って無邪気に喜んでいていいんだろうかと、今更ながら考えます。
複雑な気持ちです。
難しいのは、だからと言って私が「これ以上のITによる効率化は反対だ!」と叫んで運動を行ったとしても、この流れを止めることができるとは思えないところです。
私が乗ろうが乗るまいが、大きな世の中の流れは関係なく進んでいくでしょう。
どうしたものでしょうか。
改めて考えた末に、
私はそれでもITによる先進的なデバイス、Webサービスを積極的に取り入れて行こう、と、思っております。
新しいWebサービスを一回自分の中に入れると、それによって何がどう便利になるか、何があまり必要でなくなるかが、ちょっとだけわかります。
そうして、次に需要が減じる可能性のある仕事が何であるか、勘が働くようにしておかないと、生活の糧を失うリスクが高まると思うからです。
個人的には、時間さえ与えられれば、人間には新しい仕事、居場所を創造していける力はあると信じています。
しかし、如何せん破壊的イノベーションの、破壊の部分が速い感じがする。
破壊と創造がスピード競争したら、破壊が勝つのは自然の摂理で、仕方ないかなと思います。
コンピュータの進化のスピードがいつかゆるまって、破壊的イノベーションのネタが尽きた頃に、ワンクッション遅れてでも、人間こそが必要とされる場が増加していくトレンドに転じる時代が来るといいな、と。
ムーアの法則にも限界があるようですので、いつかはITが起こす破壊的イノベーションが止まる時が来るんじゃないかっていう話もありますので。
「ムーアの法則」の限界、2014年に――iSuppli - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/18/news006.html
そんな希望を持ちつつ、今は逆らうことのできない大きな流れをサバイバルすることを楽しんでいきたい。
いくしかない、と。
そんな風に考えています。
最近個人的に興味があるのは、
GoogleハングアウトによるWeb会議と、iPhoneアプリの「友達を探す」。後はGoogleGlass、GoogleNow。
Googleカーも。
何だかGoogleばかりなのは偶然なのか?
何にせよ、個人的には、まだまだ破壊的イノベーション優勢の時代は続きそうな予感です。
それで便利になると、何があまり必要なくなるか?
というところも、しっかり考えて行こうと思います。
月1回。1日に更新予定。 「グローバルIT時代のフォトグラファー」
(次回は、6月1日のam6:00にアップ予定です。)