2012年、マルチクリエイターのすすめ 〜グローバルIT時代のクリエイター・サバイバル法考察〜 【読了目安:4分】
変化の激しい時代、と言われます。
IT化、グローバル化の荒波の中で、世界中の垣根という垣根はなくなっていき、資本主義に参加する国の数が増え続けるので、世界的な競争社会になってきた、とも言われます。
だんだん今まで通りの仕事のやり方が通用しなくなってきた、と言われます。
クリエイターもこの流れの例外ではいられない時代がやってきたように感じています。
例えば、私の生業である写真撮影業。
フォトグラファー業界が、「撮影技術そのもののコモディティ化」に苦しんでいるような状況が生まれています。
まずはデジタルカメラが発達して、撮影から(全く写ってない、みたいな)「大失敗」が、ほぼなくなりました。
それに従って編集者やデザイナーが撮影をこなす場面が増えました。
クライアントが小さなデジカメで自ら撮った写真をそのまま使ったりするようになりました。
失敗リスクの少ない中で、センスひとつあれば誰でも良い写真が撮れるようになりました。
さらにはインターネットの発達で、膨大な人(プロ以外の人も含む)の撮影した写真のストックがネット上に並べられ、ストックフォトとして販売されるようにもなりました。
集合知的な仕組みから生まれるパワーは非常に強力です。プロでも、これに勝つのは困難なことです。
(IPPONよりケータイ大喜利、TVコマーシャルよりyoutubeのほうが時に面白くなってしまう、というのもこの流れでしょう。)
携帯電話で写真を撮るのが人々の「日常そのもの」になる中で、プロによる撮影技術すら「コモディティ(日用品)」のジャンルぎりぎりのところまで価値が落ち込みつつある、と言ったら言い過ぎでしょうか。
しかもこれは、何も写真だけに限った話ではないと思うのです。
「昨日までの自分の収入の柱としていたスキルが、ふと気がつくと陳腐化している」という現象は、これからも様々な分野で起こってくると思います。
「家電メーカーがTVの売上で収益が立たず、撤退して新しい収益源への切り替えを余儀なくされる」といった状況が既に起きていますが、それは個人も全く同じだと思います。
「収益の立たなくなった技術から撤退したり、収益の柱を素早く入れ替えたりする必要性」が「個人にこそ」必要とされる時代になっていくのです。
特にこれは、「技術」を売りにするスペシャリストに顕著に現れると思います。
なぜなら、インターネットの発達で、「技術」や「ノウハウ」も、すぐに流通し、拡散して陳腐化してしまうからです。
ちょっと前まで、「手に職があると不況に強い」などと言われていた状況はほぼ、ない気がします。
強いのは、素人にはどう逆立ちしてもできない技術だけ、です。
(例えば「建築家」などは、PCソフトの発達があっても素人には困難でしょう。)
では、グローバルIT時代に一般的な技術職種人は下をむいて生きていくしかないのでしょうか?
否!
今の時代には、今の時代に合ったファイティングポーズというものがあると思います。
さて、ここからが本題です。
私が考える「フィティングポーズひとつで、グッとリスクが減らせる方法」をひとつ提案してみたいと思います。
それが「マルチクリエイターのすすめ」です。
変化の激しい時代に一番危険なのは、何でしょう?
私は、「ひとつのものに依存するリスク」だと思います。
この会社が潰れたらアウト。この国が潰れたらアウト。この職種がなくなったらアウト…。
今は全て起こりえることであり、こういった状況を放置するのは非常に危険です。
だから、これからの技術者は「一つの道に邁進する」のではなく、「みっつの道に邁進する」のが良いと思います。
いきなり大きく出たと感じられるかもしれませんが、3つが難しければ、まずはふたつから。そして次に3つを目指す流れはいかがでしょう。
柱が複数あれば、一本の柱が倒れても、ほかで自分を支えられれば倒れません。その間に、新しい柱を立てて、柱を3本に戻すのです。
2本だと、1本減ったらいきなり土俵際。だから、もし可能であれば、3本が好ましいと思います。
幸い、ここでIT時代のメリットが出てきます。
一つの道を極めたクリエイターなら業界のことがわかっており、人脈もあります。
うまくジャンルを選べば、新しいソフト(または機材)の操作を一本覚えて、プラスα、少々の経験を積めば仕事を受け負えるレベルまで行ける新しい仕事が、あなたの周りに必ずあるはずです。
この道は、たしかに大変ですが、未来への希望を感じながら歩けるという大きなメリットがあります。
グローバルIT時代の負の面ばかり見て嘆くより、良い面を思い切り使って、毎日希望にワクワクしながら過ごせたら、どんなに素晴らしいことだと思いませんか!?
このブログでは、国内外の情勢の中で、クリエイターや、個人技術者はどうやってサバイバルしていくべきか。
私なりの考え方を述べたり、情報交換をさせていただければいいなあと思っております。
私も毎日、試行錯誤の中で戦っております!
月2回。1日と15日に更新予定。 たまにイレギュラー投稿あり。 更新の遅れは…、ないように頑張ります(笑)
「グローバルIT時代のフォトグラファー」