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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

どんな国にしたいのか?

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大企業では70%の経営者が、安倍政権の存続を希望しているそうだ。確かに、森友・加計とか、セクハラとか、ある意味で本質でないことで、大事な政策の推進が遅れるのは好ましくないという議論は一理ある。国会は政策を論じるところであり、そのことは粛々と進めるべきであろう。だが、セクハラは論外として、森友・加計は本当にこれで良いのか?仮にこのことで国会が空転するのが好ましくなければ、別途きちんと特別検察官でも立てて、この問題を精査すべきではないか?直接指示したかどうかは別にして、少なくともある時期から首相が知っていたとすれば、これは刑事的な問題はないのか?法治国家として、このようなことを本当に許してよいのか?我が国はその程度の国なのか?

一方で、誰がどうストーリーを作ったかは別にして、朝鮮半島は動きつつあるように見える。その中で、拉致被害の皆さんは、首相の要請による解決の糸口を期待したようだが、そもそも自ら動くことなく、米中、北朝鮮、韓国の動きに右往左往しているような国家に本当に期待できるのか?

憲法改正には、51%が賛成だそうだ。本当に議論の意味を理解しているのか?それともそもそも操作された報道なのか?我が国のような国家が、力のバランスで自国の安全保障を保つことが出来るのか?平和憲法の意義、防衛は必要としてもそれをどう平和憲法の理念と両立させるのか、あるいは現行憲法を改正するとして、未だに敵国条項対象国である我が国はこれを世界にどう示すのか?なし崩し的に進めるのではなく、世界の情勢が大きく動こうとしている今だからこそ、きちんと考えるべきではないのか?

会社の設立を促すために1日で設立できるようにするとのこと。もちろんITを活用して、少しでも簡易にということ自体を否定する気はないが、一方で未だに中小企業では個人と法人の区別がはっきりしておらず、粉飾決算も横行している状況で、これらの企業と取引するリスクを考えた時に、会社にすることの覚悟というか、きちんとした企業家精神や経営の理念などを醸成する中で法人化が図られるべきではないのか?

どうも理念なき改革が進められているように感じるのは私だけだろうか?国家とは何か、企業とは何か、世界における我が国の位置づけ、国民の幸せ、などなど、良く考えてみたい。国民の権利や付託を忘れた政策決定、収益だけを追い求める企業経営、国家の短期的な利益だけを追い求める国家運営、経済的な利益だけに焦点が当たった政策、これで本当に我が国は存続し、国民をサステイナブルに幸せにし続けられるのか?

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