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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

行政の役割とは?

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知人の病院の医師から聞いたのだが、オリンピック期間中に、東京の大病院に対してかなりの数の医師を継続して派遣するように、当局から指示が行っているようだ。しかも、無報酬。私は言語道断だと思うが、如何だろうか?

もちろん、そもそも世界の平和の祭典に対して、それぞれが自ら貢献したいと思うのであれば、それは自由だ。だが、行政が勝手に開催を決め、国民や都民の金を使い、一部の土建屋や広告代理店に儲けさせるイベントで、2週間で800万人の人が海外から来て、都民は大変な迷惑を被る上に、生活する都民を無視して、緊急対応の為に医師を供出しろというのは理解できない

もちろんスポーツ関係者の期待は理解できるが、あとは一部の産業の収益だけが目的で、本来の平和の祭典の意義もどこかへ行き、復興五輪という言葉ももはや聞かれない。つまり、何の明確な理念もなく、しかも何が必要かという積算もなく、ただイベントをやれば良いことがあるという箱もの行政の繰り返しのような発想で、オリンピックを推進した咎であろう。医師が必要なのは分かるが、だとすれば供出する病院が本来の業務を遂行できるような柔軟性を与えて、且つ十分な報酬を条件とすべきだ。行政がやることであれば、国民は無報酬で従うべきなどという発想だとすれば明らかにおかしい。行政マンも、土建屋も、十分な報酬を得ているではないか?

本当なら、こんかことなら止めてしまえ、と言いたいとところだが、世界に対する我が国の立場もあるし、スポーツ関係者の期待もある。但し、このような失態ばかりを繰り返しているのだから、もはや大企業や政府の要人などが観戦するのは、必要最小限にし、世界の子供たちを我が国政府が招待するようにすれば良いのではないか?主催国政府関係者は精々5名、各国政府関係者は一国2名、協賛企業は観戦禁止、広告代理店や建設関係者などは業務運営に必要な最低数、これを開会・閉会式も含めて徹底すべきだ。平和の祭典の観戦者は、その当事者、それぞれの国で紛争などで一番影響を被る子供たちであるべきだ。

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