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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

出たい人より出したい人

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小池都知事の政治塾参加者4千人のうちの8割近く、3千人が選挙に出たいそうだ。まあ、確かにそもそもが政治の塾だから当然と言えば当然だが、それにしてもすごい数だと思う。もちろん東京の都議や区議、都下の市議など入れれば、それなりに受け皿はあるのかもしれないが。

また、中にはもちろん現在の都政に問題意識をもって、これを変えていきたいという真剣な思いの人もいると思うが、そもそも政治が地域と行政をつなぐ機能だとした場合、これに関わるためにはまずは自らが地域で動かなくてはならないはずで、そこから更なる課題も出てくるし、様々な手法も編み出させるはずだという観点に立てば、小池氏が塾を立ち上げたらこれに参加するという即席型の形態には違和感を覚える。

我が国の政治の課題の一つは、そもそもなりたい人が政治家に立候補し、限られた選択肢の中で、有権者が嫌々ながら選択を迫られる点だ。だから政治家が国民の声を反映していないということになる。つまり代議制民主主義が成立していないのだ。だとすれば、もちろん思いのある人はもっと積極的に出てください、となるのだが、選挙の当落のリスクはあるし、自らの仕事を退任する必要があるし、そもそも政治に関わると周りから白い目で見られるということで、決断ができない。

一方で、政治の側は、例えば東京都議であればかなりの高収入であり、一旦政治家になったら、今度はどうその地位にしがみつくか、ということで、元々の青雲の志はどこかへ消え去り、だんだん地域の一部企業などの利益誘導型になっていく。だから、出たい人より出したい人、そして出にくければ、先に述べた課題を解決するような提案があればよい。

小池氏が、ある程度の候補者を立てるのであれば、単に現在の与党との対立構図ということではなく、都議会そのものをより民意を反映したものに変えるような方向に持っていくべきだ。世界で起こっている代議制民主主義の崩壊に対する一つの提案をできればよい。例えば、都議をより一般の人間が、他の仕事についていながら出来るような仕組みにする、つまり議会を平日夜に開催し、サラリーマンでもなれるようにするというのはどうか?

また、報酬ももちろん必要な経費は出すが、大きく減額してこれだけでは暮らせないレベルにする。つまり普通に都民として暮らしている人の代表として、より名誉職的な形に持っていったらどうか?そして出たい人より、出したい人。地域の一定人数の推薦があれば立候補ができる制度にするなども考えられる。思い切った実験が出来るような、そんな決定をできる都議会になれば面白い。

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