オルタナティブ・ブログ > マイク丹治の「グローバル・アイ」 >

 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

事の本質

»

スマップの5名中4名が事務所を出るという話で大騒ぎだ。まあ、確かに日本の芸能界ではトップ水準の知名度や露出度を誇っているのだから、致し方ないのかなと思う。ただ、ちょっと違和感があるのは、彼らを育てたマネジャーがクーデターを仕掛け、それが業界の圧力で潰された点だ。

もちろん、通常人が独立するときに、その前職の取引先や大事な資産を持ち出すことがご法度なのは当たり前のことであり、それが法的にも保護されているのは事実だ。また、この業界のこと、当然様々な契約文言で縛っているのだろうと推測する。

だが、一方で、もしそれぞれのタレントが、その可能性を生かして活躍する仕組みが確保されていて、そこから上がる収入も相応に保障されていれば、そもそもタレントはその事務所に止まるはずであり、今回このようなことになったのには、何か本人たちが納得できない根本的な問題があったのではないか?

もちろん売れてしまったタレントの思い上がりという部分も否定は出来ないと思うが、一方でこのような動きを一刀両断に業界の掟違反とすることに違和感を感じる。逆に言えば、一旦タレントを確保すれば、あとはひたすらこれから入ってくる収益を期待できるという、タカりの構造が、この業界の最大の問題ではないのか?

ベッキーの不倫問題が出ている。確かに、結婚して半年で異なる女性を正月に親に会わせるというのはさすがに理解しがたいが、一方でベッキーに対して擁護の言葉しか出てこない芸能界も不思議だ。彼女の真意は分からないが、それなりに社会的な地位を築いたタレントとしては、軽率であることは否めないと考える。これを全員で守ろうという、言わばテレビなどで食べている業界人の人々の保身を見るようだ。

いつも指摘していることだが、ともかくもお笑い芸人と、オカマと、一部のタレント、テレビ局の職員、更に広告にかかわる大手代理店が、テレビを中心としたマスコミにおいて巨額の広告料収入を独占し、巨万の富を築いていて、このサークルをとにかく守ろうという姿にしか見えない

消費者庁や文化庁の移転が議論になっている。確かに、それぞれが地方にあると不便だろう。だが、ネットなどが発達した今、全て物理的に移動する必要があるわけでもなし、加えて便利さだけが全てでもないとすれば、何でも一か所に集中していることがおかしいと考えてもよいのでは?

事の本質をよく考えれば、答えが違ってくることもあると思う。小泉氏が、農林中金は農林水産業に融資しないのなら不要だ、と言ったとのこと。一つの見識だと思う。単純化すれば、そもそも日本の農業が農協組織によって管理され、資金が全て吸い上げられて、農林中金によって運用されていた、という歴史的な経緯がある意味日本の農業の縮図だったとも言える。そして、運用するだけなら、別に独立した機関である必要はないのだから。

Comment(0)