政治資金と政党法
やっぱりおいしい金沢の海の幸
先週末は金沢で社会人向けの講義をした。暴風雪の中だったが、土曜日の夜に一人で割烹で食べた海の幸はさすがに美味で、絶対に東京では味わえないと感じた。そんな中、内閣改造や米中会談など動きがあったが、感想を述べてみたい。
国民無視の国会議員
私が以前から関わっている構想日本で、政治資金と政党法に関して昨年国会議員向けにアンケートを行った。結果は別途公表する予定だが、とにかく700人以上いる議員からの回答が49というのには愕然とする。もちろん様々な調査依頼などが来るので、すべてに答えている余裕がないなどの理由はあると思う。しかし、国民にとっての最大関心事の一つであり、現在も国会で議論になっている政治資金問題について、回答しないということ自体、政治の国民無視と言えるのではないか?
組織運営から勉強しなおし!
昨今の政治運営を見ていると、内閣改造で他党の人間を要職に登用するなど、どうも組織運営自体に関する稚拙さが目につく。考えてみれば、確かに志が高い方々はいるのだろうと思うが、与党の中心にいる人材にはあまり組織運営の経験がない方々が多いように見受けられる。内閣しかり、政党自体しかりだ。もちろん自民党とてすべてに優れていたわけではないが、少なくとも政党としての組織運営の基盤はあったように思う。その意味でも、政党について組織などに関する原則をある程度定めることは重要と考える。
米中対立構造へ
米中は、結局様々な問題を残したまま首脳会談を終えた。中国の台頭によって、以前の東西冷戦構造とは異なる米中の対峙が、これからの世界の構造になっていくのだろうと推察される。その中で、日本が国民の生活を守る上で、自国をどのように位置づけていくのか、真剣な議論が必要だ。少なくとも米国一国で中国に対峙するのは不可能であり、覇権国家として益々強大になりつつある中国を考えると、インドや東南アジアなども含めた中で、日本の立ち位置を定めていく必要がある。
戦争の傷
ちょうど、この間のエコノミストに過去の集団レイプの問題が掲載されていた。基本的には民族対立などのケースが中心なのだが、そこで統計として記載されている大規模な事件に、日本軍の南京における行動も数件の例の一つとして記載されていることに驚いた。もちろん数値などを含めて正確なところは議論のあることだと認識しているが、ただこのように欧米のメディアが認識しているという事実を我々は肝に銘じる必要がある。そして、このようなことも念頭に置きながら、わが国の位置づけを見直していくことが求められる。
政府依存の財界
一方で、同じ雑誌に日本政府の経済界への支援として、原発や新幹線の海外向け営業と法人税引き下げが掲載されていた。記事自体は、日本経済にとって多少は良い効果があるのではないか、と好意的だが、私はまったく馬鹿げていると感じている。
常に「政治は三流」とさげすんでいたものに、経済界は駄々っ子のようにお願いをしているのだ。そして、経済戦略を作ってくれないと、どこに向かって良いのか分からないとのたまう。恥ずかしくないのだろうか?日本は自由主義国家であり、経済活動は企業が率先して進めるものだ。経済停滞が見込まれるのなら、自らがリスクを取って経済の進む方向を定めていくという気概はないのか?
国を作る気概を
岩崎弥太郎ではないが、企業が自分の力で日本の経済、社会を支え、国民を幸せにしていく、そして世界にも貢献していく、そんな経営者の出現は期待できないのか?財界が法人税引き下げを要請し、これを踏まえて政府が財界に採用の拡充を要請する、という皆が誰かのせいにして自らの責任を回避する国と国民に明日はない。