孤立主義の中国?
統治能力のない中国?
今週は、帰京の便が取れずにまだ別府にいるので、ホテルでこのブログを書いています。どうもまた中国が日中首脳会談をドタキャンしたようですが、詳細は分かりません。ただ、尖閣列島の時以降の状況を見ていると、明らかに中国は日本を仮想敵として、様々な行動を起こしているように思えます。
専門家なる人たちは、国民感情や軍部の独走を抑えるために、このような行動を取らざるを得ないのだから、実態は異なると言います。しかし、もしそうだとすれば、それはそれで中国共産党や中国政府が全く統治能力を持っていないということになるのでは、と感じます。
権益確保のために意図的・組織的な戦略
でも、そもそも尖閣列島については、その海底資源の存在が明らかになってから、中国の対応が変化してきたわけです。それに、尖閣列島の事件に時を合わせて、日本人の逮捕が発生したのも事実です。そして、その後の不自然なデモ行動、更に今回の一方的なドタキャン。これらを合わせ考えると、日本政府の対応の曖昧さや、日本マスコミの意味不明の大騒ぎを十分に見越していたとしか思えません。これを先途と、自らの立場を国際社会にアピールし、権益を得ようとしているのだと思います。更に言えば、GDPで世界二位になって、これまで配慮せざるを得なかった日本に対して、思い切りカードを切ってきた、ということかもしれません。
考えてみれば、このような行動は、ちょっと戦前の日本を想起させます。自らの行動を正当化するために、様々な事件を起こしこれを自国以外の責任に仕立てる。まさにファッショですし、まともな国家のやる行動には思えません。国家としての成熟度としては、まだまだ子供で、とても国際社会の一員として認められるものではない、と考えます。
ただ、中国の優れているところは、おそらく世界中に配置してある様々なインテリジェンス機能、多くは社会科学院の出身者で構成された人たちが、時間をかけて分析した情報を使っていることです。それによって、それぞれの国をよく知り、その行動を予測し、効果が上がるように戦略を実行しているところです。
国際社会への迅速な対応を!
これに対して、ただ日本のマスコミ向けに「真意を測りかねている」という曖昧な発言を行う日本政府はどうでしょうか?更にマスコミが大騒ぎすることで、中国の意図に資する状況を広めてくれる、という日本の状況は、全く国家の体をなしていないのもまた事実です。
今日本がすべきは、まず政府としては、迅速に毅然と自国の立場を対外的に示すことです。何も中国を非難する必要はありませんが、事実ときちんと、しかし明確に且つ事象が発生したらすぐに行うことが大事です。政府のみならず、大企業などを含めて昨今異常に日本の組織の対応が遅いのが気になります。つまらないリスクを恐れるあまり、より大きなリスクを招来していることに気づかないことほど恐ろしいものはありません。
マスコミは、とにかく過剰な反応をせず、淡々と報道することでしょう。場合によっては無視しても良いかもしれません。日本のテレビで何度も放映され、更に専門家が出てきて分析を行う、そんな日本の反応が、逆に中国に利用されているのです。
中国依存をこれ以上高めない!
更に、経済界が中国という大事な商圏との関係を何とかしてくれと騒いでいます。もちろん、経済は大事ですが、基本的には冷静に対処すべきです。つまり取引停止とか過激な行動をする必要はないですが、一方で明らかに中国リスクは高まっていることを認識する必要があります。だから、大きな商圏があるから引き続き中国依存度を高めるという行動は慎むべきです。これ以上重要な資源などに関しては中国の依存度を高めない、そして他の調達源を確保しておくということが必要ですし、中国なしでも生きられる手立てを考えるべきです。
つまり、中国と事を構える必要はないですが、一方でそのリスクに対応した準備行動は行っておくことが重要だということです。資源問題、国内の貧富の格差、日本に対する優越意識と日清戦争に関する屈辱意識、今後の巨大な経済の維持、などを総合的に考えれば、中国が日本を仮想敵として、様々なことを仕掛けてくるのは続きます。
自国防衛とインテリジェンス機能の見直しを!
その将来を見越せば圧倒的な国力と、米国の衰退を念頭に置けば、元々中華思想の彼らが、国際社会からの孤立主義を指向してもおかしくはありません。ちょうど戦前の日本のように。しかも、実は彼らが組める相手は、ロシアでありイスラムであり、明らかにより力のある国々なのです。とすれば、日本は自国の立場を常に国際社会に明確に示しつつ、一方で中国の方向性を見極めつつ、これを踏まえた準備を進めておくしかないと思います。
その時に、再度見直されるべきは、まずは自国の防衛と戦略的思考を可能とするインテリジェンス機能であり、国際関係で言えば米国との関係と韓国、東南アジア諸国との連携ではないでしょうか?