政府調達の見直しで数兆円!
代表選なんて知らん!
いつもは土曜日にブログを書いているが、明日はちょっと用事があるので、今日公開することにした。民主党の代表選挙も間もなくだが、まあどちらが勝ってもどうせ今の日本の課題を解決することなど出来ないので、まずは出来ることからきちんとやってほしい。
事業仕分けは、それなりに成果を上げていて、これからも続けるようだが、手法や意義は否定しないが、考えてみればそもそもこれは財務省や予算委員会できちんとやっていれば済むこと。いつまでもこの手法を有難がること自体がおかしい。事業仕分けは、もともと地方自治体から始めたもので、予算の議論のためというよりも、予算措置された事業がその目的に従って執行されているか、そもそも事業は必要なのか、民間でできないのか、或いは国とか他の行政機関の本来やるべき事業ではないのか、などを整理するのが目的だった。その過程で、法律や国の制度があるために、そのような形で事業をせざるを得なくなっている、などの制度上の課題もまた見えてきている。
そして、最大の重要ポイントは、行政自ら査定するのではなく、第三者が関与すること、そして公開原則でやることだ。その意味では、国のレベルでも事業仕分けが成果を上げるということは、行政や政治の仕組みに任せてきた仕組みが機能しなくなりつつあることの証左であり、これからの仕組みをどう考えるかという観点で、この試みを生かしていけばよいと思う。
そもそもおかしい行政の単価
ただ、事業はそれぞれ何らかの理由があって行われているものであって、時代の変化などで必要なくなっているとか、余計な団体が介在するおかげで無駄なコストが発生しているとか、相応に政府コストの削減につながるとは思うが、現状行われている以上の成果を出そうと思えば、まずは政府として行政項目の優先順位を決めて優先度の低いものは、多少の必要性が認められても廃止する、というような思い切ったことをしないと、無理だろう。
一方で、行政の業務で明らかにおかしい点があるのが、様々な事業予算のベースとなる単価だ。例えば、これは相当前の話なので、今は改善されているかもしれないが、ODAと名がつけば、簡単な政策提言の資料について原稿用紙一枚1万円などという時代があったと聞いている。また、一方で、講演をすれば1時間100万円の講師が、政府の委員会では委員等謝金1万円とか2万円、どうも世の中の常識とは大きく異なる。すべてがコストの削減につながるかどうかは分からないが、一度行政の単価をすべて洗い出して、これを民間基準と比較してみれば良いのではないか?
いくらでも下がる経費
行政の調達は、金額的に小さいとか或いはどうしても調達するものの特性から1か所しか供給できないなどの理由がない限り、一般競争入札や指名競争入札で行われるのが通常だ。これは以前に談合などの暗い歴史があったことが大きな契機となっている。
だが、入札で本当に安くなっているか?このあたりにメスを入れてみるべきだ。この間もある独立行政法人が入札していたシステムがあって、ちょうど知人の会社の専門分野だったので、連絡をして彼らが応札したら、結果として彼らが落札したというケースがあった。当初の想定のレベルより10%程度下がったらしい。
要は、様々な役所が無数に入札をしているなかで、常に出入りしている業者でなければ、そもそも入札情報をいちいちチェックなどしないので、結果として競争が十分に働いていないケースがあるのだ。また、システムなどは、詳しい情報がないので、新参者はなかなか応札できないということもある。そもそも予定価格という制度自体が、結果として落札価格の底を規定してしまい、更なるコスト削減を妨げていることもあるかもしれない。
経費を下げるインセンティブがない
行政の職員にしてみれば、目的は予算に沿った行政サービスの提供で、民間のように収益目標などはないから、手続きに違反せずただ予算の範囲内で調達できれば良いのだ。だから、本当は役所ごと、部署ごとバラバラではなく、一括して共同購入すれば安くなるものの、そのような努力はされない。
実は民間企業でも、やはり本気で真剣に削減するなどは行われておらず、まだまだ下げる余地があるのが実情だが、行政はこれより更に削減意欲が弱い。だから、例えば建設工事やシステム導入などが最たるものだと思うが、出張旅費などを含めて信じられないほど削減の余地があると思われる。大体20%くらいは下がるはずだから、物品購入や外注しているものなどを合わせると、数兆円は削減できるはずだ。是非こういう部分でも、行政コストの削減に尽力してほしい。事業仕分けよりもっと簡単にできるはずだから。そうしないと、一番の行政コストである職員の給与削減にいますぐ手をつけないといけなくなる。