オルタナティブ・ブログ > できることは、まだある! >

お客様や部下への接し方を、自分の大切な守るべき人(幼児や高齢者など)に置き換えて考えれば、サービスやリスク回避のためにできることは、まだまだあると思います。コンシェルジュ的発想で「おもてなし」を中心に、気づきを綴ります。

銀行の待ち時間は減らせるか? 1

»

よいしょ! どっこいしょ! かたしょです。
「業務改善、いつやるか・・・今でしょ!」
※林先生の人気に便乗させていただきます。

私は、銀行で10年以上ロビーの案内係をしていました。
カウンターの内側で仕事をする他の行員とは遠く離れて心細いところに、
これといった資料もないのに、お客様からは次々にいろいろなことを聞かれて、
当初はオロオロするばかり。

新人の私には、
従業員として「お詫びしているだけでいいのだろうか?」という申し訳なさと、
実際に待たされる身として「何とかならないのか?」というお客様と同じ不満を
感じて、その時に「お客様の気持ちに最も近いのは新人なのだ」と気づきました。
私がわからないことは、お客様にもわからないことであって、
私自身が「こうして欲しい」「こうだったらいいのに」と思うことそのままを、
お客様にしてさしあげればよいのだと思ったのです。

銀行では、待ち時間に関する苦情が多いです。
待ち時間の短縮は、永遠のテーマのように感じます。
私は「ロビーで何かできることはないか?」と考えました。
そこで、お客様への情報提供が不足していることがわかってきました。

◆給料日や年金振込日など特定繁忙日について、お客様にはその認識がない。
◆ATMの稼働時間を知らず、多くのお客様が営業時間中に来店している。
◆提携ATMについて知らないため、遠方からわざわざ来店している。

「五十日(ごとうび)」と呼んで「5の倍数日は忙しい」と認識をしているのは、
銀行員と一部の会社員だけで、ほとんどの人は知らないことです。
「いつ来ても混んでいる!」と言うお客様は、
いつも25日給料日の昼休みに来店していました。
銀行は「五十日(ごとうび)」を自分たちだけの情報として、
お客様に提供していなかった(もしくは不十分だった)のです。

もし、このお客様が、
 ◆5の倍数日は混雑が予想される。
 ◆ATMは15時以降も○時まで開いている。
 ◆会社や自宅近くの提携ATMも利用できる。
         (ここでは給料日の出金を想定し、
          取引内容や取扱時間の制限や手数料等についての説明は省きます)

という情報を事前に得ることができれば、

 ◆来店時間をずらす。
 ◆来店日をずらす。
 ◆近隣の提携ATMを使う。

などの、選択肢があったはずなのです。

多くのお客様が、来店日時をずらしたり、ほかのATMを使うことにより、
銀行の店内ATMの混雑はいくぶん緩和されることになります。

年金の振込日には、
バスに乗って遠くから銀行にやってくるお客様もいらっしゃいますが、
バス代を考えると、ATMの提携手数料の方が安いのです。
もちろん、窓口担当者とのコミュニケーションが楽しみでご来店になる方も
いらっしゃいます。
大事なことは、お客様がご自身のご都合で選べるように、
お客様に適切で充分な情報を提供することです。

情報の提供方法については、また次回に書きます。


Comment(0)