ケンブリッジ便り
4月にイギリスに来る機会を逃してしまったので、半年ぶりのイギリスです。
「すごくいい気候よ。」と言われて来たので楽しみにしていたけれど、ヒースロー空港は小雨模様。
ケンブリッジに向かって北上する道もずっとどんよりした低い雲が垂れ込めていました。
向こう一週間の天気予報を尋ねたら、運転手さんの答えは「いつもの通りの西からの雨ですよ。」でした。
がっかり。
イギリスに到着してまず感じるのは、「外国だなぁ」ということ。
英語が全然違うのです。単語自体はアメリカ英語にもある単語なので、意味は察せられるけれど、ありとあらゆる表現がアメリカとは違います。
まず出口。Exitと書いてある看板もありますが、普通は、Way Outと書いてあります。
車に乗れば、アメリカではYieldと書いてあるところが、イギリスではGive Way.
Queue Likely (アメリカならさすずめStop Ahead. 「この先、一旦停止あり(かも)」)
To let (テナント募集の看板。アメリカではFor Lease)
ガソリンはアメリカではGas、イギリスではペトロ。
そして何よりもイギリスらしいのがこの牧歌的風景。
空港からM25を通り、A1で北上する道すがらは、辺り一面が田園風景。
小高い丘までもいかないおだやかな起伏が緑一色のカーペットで埋め尽くされています。
ヒースロー空港を出たすぐのところには羊の放牧場がありましたが、あとはたまに馬がのんびりと草を食んでいるだけ。
これだけ見事な草原なのに牛を放牧している様子もない。不思議に思って運転手さんに尋ねたら、大半は穀物畑なのだそうです。アメリカでもケンタッキー州ではとても似たような風景が見られますが、もともと雨が少なくしかも何年も干ばつが続いているカリフォルニアからら来た私にとっては、この地平線まで緑のRolling Hillsが続くのどかな風景は心も潤わされる気がします。(人口密度は低そうですよ。おそらく1平方キロで0.01人にも満たないかもしれません。
A1をケンブリッジに向かってA10に乗り換えた時、この先10マイル駐車禁止という標識が出てきました。交通標識はメートル(m)表示だったり、ヤード(Yrs)表示だったり、マイル(Mi)表示だったりするのです。9割方はメートル表示だと運転手さんがいいますので、きっと今は過渡期なのでしょう。
アメリカでは、オンス(oz)、ポンド(Lb)という重量表示にも悩まされますが、pint(パイント)、quart(クォート)という体積表示においては完全にお手上げ。30年近くアメリカに住んでいても全く慣れることができないどころか半分アレルギー状態。1ガロン3.8リットル=64Ozから順番に割り算して、ccに換算しないとぴんとこないのです。
Foxton駅の踏み切りを渡ると、小さな町がありました。絵本に書いたようなかわいらしい町です。一軒一軒の家が寸胴
のマッチ箱に屋根をのせたような作りなのがいかにもイギリスらしいのです。(シャッターチャンスを逃したのが残念!)
今回のイギリス滞在は丸1週間で、今までの中で一番長期。毎日オフィスに缶詰になる可能性もあるけれど、ちょっと楽しみな出張です。
と書いた途端にA1303の交差点のところにかわらいらしい小ウサギがちょこんと座っていました。