訪日外国人旅行客について
東京→京都→大阪という従来からの黄金ルートだけではなく、地方にまで恩恵が及んできたのが訪日外国人旅行客の急増です。
有名な観光地だけではなく、日常の生活圏の範囲内においては少なくとも3〜4年前までは見なかった外国人の姿を見かけるようになったこと自体に、今の時代を感じます。
そこで今回は、今年(1〜3月)における訪日外国人旅行客の消費動向について、ひょっとしたら少し我々の認識とは違うかもしれないとおぼしき集計データを取り上げて、あらためて見識を深めたいと思います。
1人当たり消費額について
1位:中国 30万円 21%増(前年同期比21%増) 全体の4割を占める
2位:オーストラリア 24.7万円(同22%増) 北海道へのスキー客が目立つ
3位:フランス
4位:英国
この結果について、どう思いましたか?
中国が断トツの1位であったことは予想どおりだったと思います。
問題はそれ以外についてでしょう。
私、大塚は2位の国を外しました。ずっとロシアだと思っていたからです。
確かにオーストラリアからの旅行客に、北海道の特にニセコのパウダースノーが大人気であることは情報として得ていました。しかし2位というランクや伸び率は予想以上でした。
さらに、3位や4位にはUAEや米国が入ってくるのだと思い込んでいました。
ところがフランスや英国がランクインしていたのです。
もちろんこれらの結果は季節要因によって変動することも十分考えられ、来年の同時期にはまた違うランキング結果が出るのかもしれません。
これらの結果を見て、"ふ〜ん"で終わってしまってはいけません。
仮説を立てることが重要です。
3位のフランス人には、欧米諸国の中でも特に日本ファンが多いことを思い出す必要があります。さらに、英国人がこのような上位に上がってきていることも何やら誇らしい気持ちにさせてくれるのは筆者だけではないはずです。
もう少し言及すれば、米国人が上位に来ていないのは、彼らにとって日本はそれほど魅力がないのかもしれない、または学生などの若者が手にする収入面で非常に苦労しているという事情を思い出さないといけないのかもしれません。
いずれにしても、普段に得ている情報の中から、その時々のケースに応じて情報を出し入れして目の前の事象に当たり、推測を立てて検証をし課題を解決していく、という作業の重要さを伝えたかった訳です。