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あるいはファシリテーションが得意なコンサルタントによるノウハウとか失敗とか教訓とか

変革プロジェクトの動画コンテンツをガッツリ作りました。

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★3冊の教科書を整理したい
僕らがプロジェクトを成功させるためにベースとしている方法論がある。
1997年にアメリカ本社から伝わり、それ以降ずっと拡張&改良してきた、CambridgeRADと呼んでいるものだ。僕がこれまで書いた3冊の教科書も、膨大なナレッジ体系であるCambridgeRADにもとづいている。

これらの教科書は、テーマに合わせて何を書くかを選定しているし、執筆時点で僕が言語化できたこと、お客さんとやったプロジェクトに依存している。
なので、同じフェーズ、同じ検討についても、事例やノウハウが3冊それぞれに書かれてある。
例えばプロジェクトゴールの決め方でいうと、2013年に「業務改革の教科書」で書いたのだが、能力と経験が足かせになっていて、今読むと不足している。
その後、2018年の「リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書」でガッツリ書いて、さらに2021年の「システムを作らせる技術」でも軽く、ただし違う事例で触れた。主題ではないが、話の順番上、触れないわけにはいかなかったので。

このような事情から、「本1冊1冊としては過不足ないものの、変革プロジェクトの方法論を通しでガッツリ学びたい」と思っている人にとっては、やや使い勝手が悪い状況だ。まあ3冊を熟読し、比較検討し・・をやればいいのだが、そんな読者は一握りですよね。

ということで、この3冊に書いた方法論を、プロジェクトの立ち上げから順番に通しで説明する必要性は感じていた。
でもそのためだけにもう1冊本を書くのは流石に重複感がありすぎる。だとしたら、それは全く違うメディアである動画でやるのが良いと判断した。
僕自身は動画よりも本から知識を得るのが好きだが、逆の人もいるだろうし。


★とはいっても3割くらいは新ネタ
これまで書いた教科書の再構成なのは確かなのだが、そうはいっても内容の3割くらいはこれまで本には書いたことがない話だと思う。
本を書いたあとに経験したこともあるし、本を書く際は冗長になりすぎるのでカットした話もある。
あとは、これまで社内向けトレーニングでしか語っていなかったこともある。
なので、白川の本を読んでいる人にとっても無駄にはならないと思います。



★Udemyから配信
そこで、動画コンテンツはUdemyさんに配信してもらうことにしました。
題して「変革をリードする技術」シリーズ。
プロジェクト全体を4つの講座で説明する。

XX_20230519_Udemy1.jpg

これまで書いた本との関係はこんな感じ。

XX_20230519_Udemy2.jpg

いま最初の「変革を立ち上げる技術」がアップされている。
https://www.udemy.com/course/cambridge-conceptframing/

そして次の「業務改革の技術」もつい先日収録した。
2ヶ月後くらいにアップされると思う。

YoutubeとかじゃなくてUdemyから配信することにしたのは、やる気がある人が有料で買うコンテンツのほうがいいかな、と思ったから。まあ、本3冊分のナレッジ(本よりリッチかも)なので、タダで公開するのもちょっと違う気がするしね。


★講座の特徴①:手加減なしのプロ仕様

この手の動画コンテンツをどれくらいの難易度、ボリュームにするかは悩むところだ。
サラッと語ったほうが視聴者は増えそうな気もするし。
まあでもその辺は別の人に任せて、僕がやるならば、やはりみっちり語ったほうがいいかな、と判断した。つまり、ウチの会社のコンサルタントに教えているようなこと(プロ仕様)を手加減なく伝える講座にした。
「変革を立ち上げる技術」は4.5時間もある。次の「業務改革の技術」はその倍くらいあるのではないか・・。パワーポイントも250ページある・・。


そりゃ、プロジェクトを成功させるコツを語ったら、それくらいのボリュームにはなりますよ。(ちなみに本は3冊合計で1256ページあるので、当然かもしれない)
なので「知った気になる」ではなく、「実際に変革プロジェクトをやる際に、ちゃんと使えるノウハウを得たい」というガチな人に受講して欲しい。
XX_20230519_Udemy3.jpg

★講座の特徴②:生々しい
これは本でも心がけていることなのだが、教科書は生々しくないとダメだと信じている。
定義とかべき論とかそんなの読んでも、読み終わったときには忘れているから。
だから今回の動画でも、「そもそもプロジェクトとは」とか「業務改革とは」みたいな話は一切していない。

そうではなくて、
・あのプロジェクトのコアメンバーはこんな構成だった
・プロジェクトゴールの良い事例、ダメな事例
・ダメな事例のどこがダメなのか?
・プロジェクト立ち上げ合宿をファシリテーションする7つのコツ
・プロが大事にしているヒアリングテクニック8選
・業務調査の定番フォーマット10
みたいなことをコレでもか、と詰め込んである。
是非変革プロジェクトの現場でパクって欲しい。


★講座の特徴③:堅苦しくない
ウチの会社のセミナーに参加したことがある人は知っていると思うけど、ざっくばらんに話している。(全体的にうちの社員はそうだけど、僕は特にそうだと思う)
自分が堅苦しく話すのが苦手、という理由もあるんだけど、それよりも、堅苦しいトークって、眠くなりませんかね?
同じUdemyで公開されている講座でも、きっちり台本を作り込んできて、それを読み上げるような人もいると思う。まあそれが好きな人もいると思うけど・・僕が聞く側だとしたらツラいな。

コレについては結構こだわりがあって、大昔にブログに書いたこともある。

プレゼンで普通に話す、あるいは放送大学という反面教師



そして、僕一人で語るだけだと、どうしても一方通行になるので、ケンブリッジの若手社員(フクナガさん)にもアシスタントとして参加してもらうことにした。
彼女はコンサルタント歴2年くらいなので、視聴者に近い立場から、素朴な疑問とか感想とかを言ってくれる。彼女に質問してもらって「ああ、言い忘れていたけど、たしかにソコは大事なポイントで・・」みたいなことも結構あった。


★講座の特徴④:限定動画ならではのぶっちゃけ
特につい最近録画した「業務改革の技術」の方なんだけど、「ややこしくて本に書くのは断念したけど、ウチの社員には教えていること」も結構話すことになった。

教科書論としては○○なんだけど、実際のプロジェクトはそんな風に進まないことが多くて、だから僕らプロとしては・・みたいな話。
これは動画じゃないと伝わらないし、普段の無料セミナーで話すにはマニアックすぎるし、ということなんだよね。
その辺も吐き出せて良かった。


ということで、
・白川の本は気に入ったけど、まだ1,2冊しか読んでいない人
・本を読むのが苦手な人
・会社から研修補助を受けられる人
・通勤電車で時間を持て余している人
・3冊読んだけど、頭を整理したい人
は是非視聴してみてください。
あと、白川の本がいいと思ったので同僚に薦めたいけど、どうせ本読まないよな・・みたいなケースも、動画なら勧めやすいかもしれません。

Udemyさんの動画の価格は講師である僕はコントロール出来ないのだが、今は公開されたばかりで激安になっている模様。うまいこと買ってください。
https://www.udemy.com/course/cambridge-conceptframing/


★どうでもいい追記
Facebookの方には書いたのだが、1月にスキーで腰の骨を折る大怪我をしまして、ずっとコルセットをはめてました。すっかり忘れていたのだが、1回目の動画を撮影した時はまだコルセットをしています。「なんだかこの人やけに胴が太いな」と思った人もいるかもしれないけど、そういう理由です。
撮影でまる1日座っていたので、コルセットしていても腰が痛くなってまいった。
先日撮った2回めの時はもう外れています。が、運動不足で太ったので、相変わらず胴は太いかもしれない。


★6/21追記

「変革をリードする技術シリーズ」の第2段「業務改革の技術」がアップされたみたいです。
なんと7時間の動画。みっちり手加減せずに語ったので、覚悟して学んでください。

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