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インターネットとそのガバナンスについてつらつらと

IPv6対応、2例

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前回のエントリでIPv4アドレス在庫枯渇に関してちょっとお話しました。在庫枯渇に対する本質的な解決は、IPv6を導入することなのですが、これは口でいうのは簡単かもしれないけど、難しいんですね。

ホストレベルで言うと、WindowsもVistaだと標準、XPでもコマンドライン一発で対応、*BSD, LinuxでもOSとしては対応が済んでいる、と言う風な感じで、一見ヨサゲに見えるのですが、事業者がIPv6のサービスを提供しようとすると、単体やデータトランスポートだけでなくて、監視,ユーザサポート,要員教育なんかを全てIPv6に対応させないといけないわけです。

そんな中でも、やっと、いい感じのニュースが聞こえてきたのが、Googleです。さすがインターネットの雄、やってくれます。2008年5月にipv6.google.comをリリースしたのがまず最初。ちょっと時間がたって、ipv6.google.co.jp という形でも使えるようになったのが2008年10月。この時点では、www.google.comとは独立したホスト名がIPv6向けに割り当てられていて、Googleからの技術発表でも「プロダクションレベルのサービスとは分けて展開中」という感じでした。

最近になって、申し込みさえすればwww.google.comをIPv6で利用可能になる、ということになってきました。"Google over IPv6"というのがそれです。一定の覚書を了承して、DNSリゾルバのアドレスを添えて申し込むと、そこからのDNSクエリに対して、www.google.comのAAAAレコードを返すようになってくれるらしい、です。

GoogleはこういったIPv6に向けた積極的な取り組みを、あらゆるインターネットカンファレンスで喋ってくれます。最近だとRIPE57でしょうか。こういう動きが他のサービス事業者も刺激するようになってくれると良いんですけどね。


もう一例。日本経済新聞社が、JPNAPを運営するインターネットマルチフィードと共同で、IPv6によるコンテンツアクセスを可能にする実証実験をやる、という報道発表をしました。記事はこちら

こちらよく読むと、

IPv6からのアクセスを現行規格の「IPv4」に変換するサーバーを設置

なので、トランスレータをかますようですね。IPv6ネイティブにこだわる向きからは、ちょっとガッカリ気味な感想も出てきそうですが、そもそもトラフィックが見えないくらいのレベルの現状では、スモールスタートの一例だと思います。Googleだってスモールスタートですからね。

ちょっと地味な報道ですが、日本のクオリティペーパーであり、一大コンテンツを擁する日経が、IPv6に向けて真面目に取り組んでいると言うのは大きな一歩だと思います。偉いっ。

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