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英国ロンドン発のニュースなど

ちまたで数独がはやるわけ・・・知のパラダイムシフト

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"SU DOKU"(数独=すうどく)というパズルが、昨年くらいからイギリスで、すごいブームとなっています。このニュースは、すでに日本でも紹介されているようですし、日本でも、SU DOKUを掲載する雑誌なども増えていますよね。

London_019 ルールは簡単で、縦の9列と横の9行、それから9つの正方形の中に、1から9までの数字を1つずつ当てはめていくというものです。左の写真は、CeBitで発表されたUltra-Moble PCにプリ・インストールされている数独ソフトの画面です。黒い数字は、あらかじめ書かれているもので、青い数字は解答者が入力したものです。

イギリス人は、もともとクロスワード・パズルが大好きで、新聞には、毎日かならず、クロスワード・パズルが掲載されています。そして、SU DOKUも、そのクロスワード・パズルと同じように新聞に掲載されるようになり、ブームとなりました。 新聞とペンを持って、あれこれ考えるというスタイルが、クロスワード・パズルとよく似ていて、クロスワード・パズル好きのイギリス人の心をがっちりつかんだと言えます。

でまぁ、この話は、これで終わりなのですが、あえて、「なぜSU DOKUが流行ったのか」について、さらに深く考えてみます。

そもそもクロスワード・パズルというのは、単語を知っている数が多ければ多いほど容易に解くことができる、という性質のパズルです。つまり、知識の量が多い=パズルが解ける=頭が良い、ということを意味していたわけです。 ところが、インターネットの普及により、知識や情報は、比較的容易に手に入れることができるようになりました。つまり、誰でも、豊富な知識を手にすることができるようになり、そのことが頭が良いことを意味しなくなってしまったわけです。そのような状況において、新たに、頭が良いことを象徴するものが求められ、それが数学的なパズルであるSU DOKUであった、ということができます。

日本でも、SU DOKUが流行るかどうかはわかりませんが、これからは、知識の量を競うものよりも、数学的な思考力を試すパズルやゲームが人気を集めるのではないのでしょうか。

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