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ACCS久保田が著作権ほか普段感じていること

韓国で音声図書館を見てきた

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前回のブログに対して、ヤフーオークションのユーザー情報を不正に入手したのではないかとのコメントがありました。念のために書いておきますが、ACCSで行う活動については、弁護士や専門家に相談の上慎重に決定していますし、今回の活動についてはヤフーの協力を得て行っています。何ら不正な手段は使っていません。それと、ブログの文章を後から変えるようなこともやっていませんので念のため。

さて、私が、社会福祉法人視覚障害者文化振興協会(JBS日本福祉放送)と、特定非営利活動法人全国視聴覚障害者情報提供施設協会(全視情協)の理事をしていることは前にもこのブログで書いたことがありますが、先日、韓国に行った折、音声図書館とも呼べる施設を訪問してきました。

ソウル市にある「ジョンダルセ電話図書館」というところです。ここでは、雑誌や書籍を読み上げた音声データがサーバーに保存されています。利用者がこの図書館に電話をかけると音声でメニューが読み上げられ、利用者は、プッシュホンでメニューを選択して聴きたい音声データを探します。プッシュホンの番号には、パソコンのマウスやキーボードの矢印キーなどと同様の機能が割り付けられており、電話だけで操作できるようになっています。

ここに電話をすれば、雑誌や書籍のほかWebサイトに書かれていることを聴くこともできます。韓国では、Webサイトのテキストに、それを読み上げた音声データへのリンクを付けている場合が多いらしく、このデータも、電話をかけメニューをたどって聴くことができます。音声データへのリンクがないWebサイトは、テキスト読み上げソフトを利用して音声化しています。

利用者は電話で聴くので時間はかかります。1回あたりの利用時間は約2時間だそうです。その間の電話代がかかるのですが、電話会社と提携して割引があるとのこと。回線は最大300回線まで増やせるそうで、常時40回線の利用があると聞きました。

このような施設は日本にはありません。ただ、テキスト読み上げソフトに日本語版を使えば、日本語のWebサイトを利用することもできるようです。帰国して、こうした情報を全視情協に伝えました。近く、全視情協の理事たちも視察に行くそうで、日本でも同じようなことができるように調査・研究を始めてもらうつもりです。

ちなみに韓国の著作権法では、視覚障がい者の福利を目的とする非営利の施設については、著作物の録音や視覚障がい者専用の方式での複製、配布、伝送が許されています。一方、日本でも平成18年の臨時国会での著作権法の改正により、本年7月1日から点字図書館等の視覚障害者向けサービスでネット送信が可能となるなど、障がい者に対する権利制限の範囲が拡げられたことから、著作物を利用するという観点からも、このような施設の実現が日本でも可能です。

こういう電話図書館のようないいものは取り入れて、相互関係を発展させたいと思います。

Comment(1)

コメント

藤川(元点字図書館職員)

こんにちは。
はじめて書き込みします。

電話、特に携帯電話は「いつでも・だれでも・どこでも」情報を得ることができるツールとして視覚障がい者の情報提供に大きな役割を担っていると思います。
音声読み上げ機能つきの携帯電話を使って(全てを読み上げるというわけではありませんが)Mixiを読んだり、iモードでお店検索をしたり、メールを書いたり読んだり・・・

久保田さんが視察された「ジョダルセ電話図書館」のサービスは視覚障がい者のニーズに応えたサービスだと思います。
視覚障がい者もインターネットを利用してホームページから情報を得ることもできますが、パソコンの普及率は高いとはいえません。
ですが、電話なら100%といえるでしょう。
そして、操作が簡便であるということが重要なポイントだと思います。

日本でも、同様のサービス提供ができれば、視覚障がい者の「情報環境」は豊かになることでしょう!
得たい情報を得たい方法(電話かパソコン)で入手することができます。
その際、電話料金の割引は大きなポイントですね。(経済的な負担=利用できない)
得たい情報の「あり方」も課題になりますが、そのことについては何かの機会に書き込みしたいと思います。

韓国の仕組みを参考にし、韓国と日本が情報交換をしながら、より快適な情報提供システムが構築できたらすばらしいと思います。

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