JASRACが判断した告別式のCD演奏
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日経パソコンの「焦点」というページで、2ヶ月に1回程度コラムを書いています。本文とは別に「近況」という小欄があって、この9月10日号に次のような原稿を書きました。
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母が亡くなった。母はリラ・フラウェンコールという女声合唱団で35年歌い続けてきた。告別式では生前の合唱を収録したCDの演奏を流した。これの権利処理を行ったが、人の営みと著作権について考える機会になった。
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ここに書いたように、JASRACに対して、演奏利用の申し込み手続きを行っていました。著作権法では、非営利・無料の利用の場合、著作権者の許諾なく上演することができます(第38条)。非営利・無料とは、(1)営利を目的とせず、(2)聴衆・観衆から料金を取らず、(3)出演者に報酬を支払わない、という条件が全て揃っている場合を指します。
入場料などの対価を取らなくても企業の商品PRなど営利目的であれば、この条件には当てはまりません。ホテルの宴会場や会館などでCDを流すのも、ホテルや会館が主体になっていれば営利目的となるでしょう。
今回の告別式は、喪主の私が主体で、非営利目的で料金を取らず報酬も支払わずCDを流したので制限規定に当てはまり、許諾を取らなくても利用できるように思いましたが、会場がお寺に付随した会館でしたので、念のため申し込みを行ったのです。
その後、JASRACからは、使用料の支払いは不要との通知が来ました。個人的には判断を迷いましたが、JASRACの措置はこのような実質的なもので、今では妥当な結論として納得しています。
日経パソコンに後日談を書く欄はないので、こちらで報告しておきます。
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