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日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

リカちゃん人形に40年添い遂げる

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「米国では着せ替え人形用の持ち運びケースが売れているらしい。今日は赤穂浪士討ち入りの日。我々も人形業界に討ち入る。責任者はおまえだ」。せっかちな社長はそう言い残すと、次の商談に向かってしまった。

(小島 康宏 「リカちゃんと育てた夢」、日本経済新聞 2007/7/12朝刊)

リカちゃん人形というメガヒット商品を開発した、元タカラ専務 小島康宏氏の話を読みました。氏は当時26歳。香山リカという名前も、行方不明だったフランス人パパのピエール(リカちゃん人形の発売は昭和42年。アバンギャルドな設定だ…)も、すべて氏(のチーム)の考案とのこと。

その後のことは詳しくは書かれていないものの、氏は一貫してリカちゃんビジネスを主導していたご様子。もしかしたら内心忸怩たるものをお持ちだったかもしれませんが、記事を読むかぎり、リカちゃんを育てた職業人生を誇りに思っていらっしゃることが窺えます。

 思えば、入社後の私の人生はリカちゃんづくしだった。私の結婚披露宴のお色直しのテーマは「リカちゃんのママ」。長女の名前も「里香」だ。

(同上)

ひとつの商品が40年間売れ続けることもまれならば、それに最初から関わり続けられることもまれでしょう。そもそも40年続く会社だって決して多くない。

しかし、固有の商品でなくとも、自分なりに一貫したテーマを決めて仕事に臨むことならできます。ある方は「文章表現」をテーマに据え、会社での報告書や日報にいたるまで、とにかく「書く」機会を大事にし、決していい加減な文章は書かないように心がけていたとのこと。自分にとってのリカちゃん人形は何だろうか。

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