オルタナティブ・ブログ > 発想七日! >

日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

自分も顧客も、同じ速度で歳をとっている

»

我ながらおめでたいことに、自分で書いた文章にハッとすることがあります。今日ハッとしたのは、午前中に書いていたコラムの中で(自分の頭から)出てきた、

自分も顧客も、同じ速度で歳をとっている

という言葉。

オーナーが自分の着たい服をデザインしている、Aという服屋さんがあって、
年々趣味が変わっていくのが面白いなと思っていました。

普通のブランドは、ターゲット層(と、その層に対してのポジショニング)を特定したら、
それを動かしません。リーバイスのジーンズは常に若者のヒップにこそフィットするように作られます。
顧客の変化に追随することはあります。また反例もありましょうが、
だいたいブランドを作り・維持するためにはターゲットの特定が必要です。

しかしAは、顧客の変化に対応するのではなく、
ただただ来たい服をデザインし、
店に並べ続けた(←この辺はかなり想像で補っています)。

Aのやり方は逆です。
常に、少しずつ変わっていく。
しかも顧客の変化にぴったりと合った速さで。
それなのに、顧客を追い掛けているわけでもありません。

なぜそれが可能なのか。当たり前ですが、
「自分も顧客も、同じ速度で歳をとっている」
から。

顧客にしてみれば、ブランドを乗り換える必要がない。
オーナーが、常に同世代の感性でデザインしてくれた服が、そこにある。

商品のテイストが変化してしまったことをもって
「一貫性を失ってしまい、もったいない」
と感じたわけですが、実は見事な一貫性があったわけです。
オーナーの人生の歩みがそのままブランドである、と言ってもいい。

自分が欲しい製品・サービスを発想する。
自分が属するセグメントを、ターゲット顧客に据える。
Aにもまた、「ありのまま」の強さを見た気がしました。

(『ありのままを貫くという、企まざる戦略』から)

「それは個人事業だからできる話」
「B2Bでは関係ない」
と評してしまうには惜しい教訓があると感じました。

法人(というか企業)にもライフステージがあります。
顧客にも、自身にも。

Comment(2)

コメント

sapphire

こんばんは! 「黄金の金曜日」が無くなってしまってから久々に投稿します。

全く硬くない話で恐縮ですが、”サザンオールスターズ”は自分達が好きな曲、詩を作って、自分達の好きなように活動しているように思います。

ファンという訳ではないので、一般人として思うだけですが、彼らが登場した時代に青春を過ごした世代がこぞってファンを続けている理由は、彼らがうたう歌詞とメロディーが上手く自分にフィットするからだと思います。彼らとファンが同じように年齢を重ねていて、歌詞も現在はやや中年世代の内容になっていると聞いています。

(勿論、新しいファンも追加されていますが、サザンは若い世代にこびているわけでは全くないと思います。)

ちょっと話が違うかもしれませんが・・・

sapphireさん、コメントありがとうございます。
アーティストは好例ですね。
「顧客志向であることと客に媚びることとは違う」というテーマも、掘り下げてみたいところですので、アンテナを張っておきたいと思います。ハッとすることがあればまたエントリを書きますね。

コメントを投稿する