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日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

カジュアル週報によるマネジメント

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4492553630jpg 田坂広志さんの『こころのマネジメント―ひとりのメールが職場を変える』という本を読みました。

この本では、「ウィークリー・メッセージ」といって、週に一度、職場のメンバーがエッセイを送り合う習慣が紹介されています。ルール は3つ。

  • プライベートなことでも自由に書いてよい
  • 他のメンバーに対する誹謗、中傷、冷笑はしない
  • 交換したメッセージを、決して職場以外のメンバーに伝えない

著者はこのシンプルな習慣がもたらす効果を、歩き回って職場の空気を掴むMBWA(Management By Walking Around)になぞらえて、MBEC(Management By Electronic Community)と呼んでいます。

4901784641jpg_1 このウィークリー・メッセージに似た試みをどこかで読んだなあ…と思ってここ数日探すともなく探していたのですが、ありました。2005年のパーソナルベスト(ビジネス書部門)でかなり上位にランクしている『ビジネスを育てる』です。パタゴニアが開発した方法として紹介されているのが、「5-15レポート」。『書くのに十五分、読むのに五分以上はかからないので、この名前がついた』とのこと。

この5-15レポートの目次立てはこんな感じです。

  • 第一部で、先週その社員が何をしたか報告する。
  • 第二部は社員の士気についての率直な記述である。自分の所属部門について書く。
  • 第三部は自分の仕事、部門、会社の改善アイデアを一つ書く。

このやり方を採り入れたエスプリのダゥ・トンプキンス社長は、これをMBA(Managing by Being Away - いないままで経営する)スタイルと呼んでいると書かれています。

どちらのやり方にも共通しているのは、「週に一度」「書く」という作業。我々はともすると「膝を交えての会話 >> メールのやり取り」と考えがちですが、文章によるコミュニケーションは単に会話の代替物ではありません。

特に『こころのマネジメント』は、「書く」コミュニケーションの効果について様々な角度から考察しています。興味のある方はご一読あれ。

ところで仕事やプロジェクトとは関係ない、個人的な用途でも、

  • 日記ほど頻繁でなく、
  • blogよりもパーソナルに、
  • 書きながらいろいろ考える

という作業は有用だと思います。そのあたりを以前にコラムとして書いたことを思い出しました。

週記のすすめ(1)
週記のすすめ(2)
週記のすすめ(3)

(参考)
> 『こころのマネジメント―ひとりのメールが職場を変える』の書評
> 『ビジネスを育てる』の書評

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