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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

変わるグループウェアマーケット

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 新しい年が明けて2018年になった。本ブログは2006年1月の開設なので12年目に突入ということになる。干支で言えば一回り。いや結構長いことやってきたものだ。
 そして私は12年間相変わらず組織内における情報共有や情報伝達をテーマにコンサルティングをやってきている。途中震災後の不景気の波でナレッジ系の案件に恵まれなかった時期や大規模なトラブル案件に巻き込まれて更新が途絶えがちだった時期もあるがなんとか続いている。

 正月休みもあってちょっと余裕が取れたのでこのところ過去記事も読み返しながら振り返ったり改めて考えたりしているが、この組織内における情報共有や情報伝達の状況も、12年間でほとんど進歩していない部分と劇的に変わった部分と両方がある。

 例えば、大企業における社員宛ての情報伝達手段については、12年以上たっても未だに公開掲示板方式が主流である。イントラネットの一角に垂れ流し式でのべつまくなく、重要度はおろか宛先すら選別せずに流される通達・お知らせは、やり方はそのままに発信数だけが12年前より大幅に増えている。パーソナライズやRSS等のインターネットでは一般化された手法はほどんど見られることはなく、なかには掲示板すら無く未だにメールで通達を流す企業もある。

 逆に以前と大きく変わったのは、組織内における情報共有や情報伝達を担うグループウェアというソフトウェア市場のほうだろう。昔はグループウェアと言えばノーツとシェアポイント(エクスチェンジを含む)の2強、それに国産メインフレーマー3社の自社製品とサイボウズOfficeあたりが追随するという状況だった。ところが今やグループウェア市場は、ほぼOffice365の一人勝ち、かろうじてサイボウズが存在感を出しながら隙間を埋めているという状況だ。
 ノーツについては最近既に何回か書いたので割愛するが、それ以外の国産メインフレーマーのうち日立と富士通はそれぞれグループマックスとチームウェアの販売を既に打ち切っている。2製品ともメインフレーマの製品だということで地方自治体等で一定のシェアを取っていたが、徐々にサイボウズOfficeやネオジャパンのデスクネッツあるいはGoogleApps等への置き換えが進んでいるようだ。唯一NECだけがスターオフィスを販売し続けており、シェア的にも10%弱の数字を維持して頑張っている。(参照:ノークリサーチ 2017年中堅・中小企業におけるグループウェアの導入社数シェアと今後のニーズ
 最もこのシェアは社員数が比較的少人数の企業を含めた際のものであり、大企業ではもっとMS製品とガルーンへの集約が進んでいると推測される。実際にNEC自身は既に自社のグループウェアをOffice365に切り替えていることからも社員数が1000を超す大企業にとっては、グループウェア製品の選択肢はほとんど無くなったに近く、悩むとするとクラウドにするかオンプレに残すかのほうだろう。

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