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ノーツマイグレーション時の罠

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 毎日送られてくるメルマガなどを経由してネットを見ているとまたノーツのマイグレーションが盛り上がっている気配だ。そういえば私も昨年の秋に同テーマで講演した際にインタービューを受け以下のような記事にしてもらった記憶がある。

【インタビュー】ナレッジマネジメントの前工程をしっかり理解してポストノーツを考えることが重要

 ノーツのマイグレーションを検討している人と話を聞くと移行ツールの有無ばかり気にしていることがある。永年にわたってノーツを運用しているとデータベースが何百何千と増え、しかもその内容が良くわからないという状況に陥るからだと思うのだが、安易に既存のデータベースを全部ツールで移行しようなんてナンセンスだ。

 私の経験から言ってもノーツのデータベースの大半は使われていないものや単にデータストレージになっているケースが大半だ。そんなものまで全て新しいプラットフォームに移行してもごちゃごちゃになって使いづらくなるだけだ。
 だいたいこのご時勢に5年も前に作ったデータがそのまま活用できるほど業務に変更がないなんてことはありえない。そもそもどの業務にどんなデータを活用することが効果的なのかを考えて今の業務のやり方にあったデータ保持やデータ共有のやり方を考えるべきだ。

 担当者にとっては面倒だし中身も良くわからないからツールで一気に移行してくれればということなのだろうが いくらツールを使っても最後の確認作業は人間(しかも発注者側)がやらないといけない。自分たちの作業負担も考えて移行対象をできるだけ減らすべきだ。

 ただこれは逆に受注者側から考えるとこれは大きく儲けるチャンスでもある。データの移行作業なんてデータベースの数やレコードの数に比例してひとつあたりいくらという単価の掛け算で請求できる。それに対して実際の作業はツールが自動でやるわけでコストはそんなに上がらない。不景気にこのご時勢にはおいしい仕事になるわけで、念仏のように「全件移行」と唱えるユーザは良いお客さんだ。

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