オルタナティブ・ブログ > ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦 >

エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

オープンソースを使えば必ず安くなるの?

»

 先日あるシステム開発の調達の仕様書で「オープンソースのソフトウエアを使って構築すること」という一文を見かけた。別に最近ではあまり珍しい話ではないのだが、この時はふと首をかしげたくなった。
 というのもこのシステムはかなり野心的な仕様になっていて、既にあるどれかのオープンソースをそのまま使って構築出来るようなものでは無いように私には思えたのだ。それなのにオープンソースベースであることを条件にしていて、どうやらカスタマイズなりアドオンなりの手を入れて最終的なものを作ることを想定していたようだ。しかも開発の調達を出しているように、システム開発は外部業者に委託、開発後の保守も当然外部まかせだ。

 よくわからないのだがこういうケースでもオープンソースを使ったら安くできたり品質があがったりするのだろうか。いやもちろんライセンス料のかからないOSなどにオープンソースを使ったり、自社で開発要員を引き込んでシステムの細部まで迅速かつ柔軟に変更したり運用したり場合であればオープンソースのメリットは十分に享受できるだろう。

 でも開発を(ちょっと言葉が悪いが)丸投げして、できあがったシステムの保守も開発ベンダーに任せっきりなら別にオープンソースにこだわる必要なく単純に一番安価な提案を採用すれば良いように思うのだ。もちろんこの場合、提案側がコスト削減の為に勝手にオープンソースをソフトウェアを選択するのはアリだ。でもそれは開発側に選択させれば良い話であって、開発者が慣れていて安全に早く作れるミドルウェアやテンプレートがあれば別にそれが特定ベンダーの製品のものでも良いのではないか。なんというかこういうケースではシステムはブラックボックスなのだから中身に拘らずに仕様を満たしている範囲で一番安いものを選べば良いと思ったのだけど。
 ノンカスタマイズでそのまま利用するならともかくカスタマイズしてしまうと、年度単位の保守契約でベンダーフリーな選択できるというメリットがあるのか?いやこれは寧ろカスタマイズというクローズなノウハウによってロックされやすいほうの可能性が高い気がする。数年後の再構築の時に既存ベンダーに縛られないというのも怪しい。スクラップ&ビルド方式を取れば良いだけの気がするからだ。

 私はオープンソースの専門家でもないしシステム開発プロジェクトについては人並みの経験しか持ってないので、なにか間違っているかもしれない。ぜひこの辺りについて知見のある人からの意見も聞いてみたい。

Comment(0)