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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

社内で聞けないから社外サイトで聞く、なんて・・

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 Yahoo!知恵袋やOKWAVEなどのインターネット上のQ&Aサイト(人力検索とも呼ばれる)が人気だ。先日紹介した調査でもユーザから比較的信頼度の高いメディアとして認知されている。

 そして仕事で社外のQ&Aサイトを使う人も増えているという。私はこの仕事に関連することを社外サイトで質問して情報を得るという行為については若干問題があるのではないかと思っている。

 私が過去にいくつかの企業でナレッジマネジメントを推進した時に「質問するのは馬鹿のやること」「くだらない質問で他人の業務を妨げるのは恥ずべき行為」という風土を持つ企業に出会うことがあった。こうした企業で社内での情報共有を進めようとすると大変だ。Q&Aサイトやフォーラムを設けて知識交流を図っても直ぐに閑古鳥が鳴く。
 こういう組織では「聞くことは恥」となり、フォーラムなどで迂闊な会話をして自分の知識のなさをさらけ出すのはリスク以外の何者でもないからだ。そしてこの「聞くことは恥」という文化が行き過ぎるとかなりやばい。酷いと異動や業務替えになった時もこの文化を引きずって社内のわかる人に教えを請わず自分のわかる範囲でしか仕事をしない。
 もちろんそれだけで仕事が進むわけはないのでやっぱりどこかで勉強する必要がある。そういう人たちが最近どういう行動をとるかというと、どうやらインターネットのサイトや検索エンジンでいろいろ調べて自習したり、先ほどのQ&Aサイトなどで質問して情報を収集しているようなのだ。

 会社にとって従業員がQ&Aサイトをこのように使うことはよくない状況だ。社内に詳しい人や周辺に正確な情報があるのにも関わらず、(時間的に)コストが高く不正確な社外情報を使うというのはリスクが高い。そもそも質問すること自体が知識創出の一端なのだから、これは社内知識が外部へ流出していると捉えることもできる。

 もちろん情報の種類にもよる。まったく新しいことを始めるときなど社内に情報がない場合などはインターネットやQ&Aサイトでいろいろ情報収集するのは仕方がない。
 でも本当は周りに聞きたいのに聞けないから社外のQ&Aサイトで質問しているとしたら、それはその会社や組織が衰退し始めている兆候ではないか。

 あなたの会社ではこんなことはおきていないだろうか。

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