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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

サービスの場合は良いものは余計なお節介であることは多い

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 今月私の参加したセミナーや勉強会で最も印象に残ったのは、9/4のJUAS主催「ITガバナンス2008」での「サービスサイエンスによる企業改革の実践」という講演。話者は、元オムロンフィールドエンジニアリング常務で現在はワクコンサルティング株式会社の諏訪良武常務。

 サービスという見えないものを科学的に捉えて分析し改善していくためにはどうすればよいかというお話しだったのだが諏訪さんのオムロンフィールドエンジニアリング時代の経験談が面白すぎた。

 保守サービスの改善を図ろうとして、社内の皆にヒアリングを行ったところ皆は口を揃えて若手技術者のレベル低下を指摘していたが、実際に顧客アンケートを取得してみると技術力に対する満足度は高く、不満は進捗状況確認や対応スピードにばかり不満が集まったそうだ。
 最近の精密機械は内部構造の工夫が進み、何かトラブルがあったときも現場でそれを分解するのではなくモジュール毎の交換で対応する事が多いらしいのだが、これをベテランの技術者が見ると、最近の若いヤツは内部構造を理解していなくて例外対応に弱く、こうした技術力低下で顧客が離れると危惧するのだそうだ。ところが顧客からすると機械をあけてぱっとモジュールを交換した方が手際良く見え、技術力に関する不満は無い。だから顧客にとっては、いつ作業員が到着するかのほうが重要なポイントになる。という、まあ考えてみれば当たり前の話だがサービサーが良く陥りやすい罠がこの話には含まれている。

 諏訪さんは、「良いものが売れるというのは製造業の発想。サービスの場合は良いものは余計なお節介であることは多い」ともおっしゃていて、このあたりはサービス事業者は肝に銘じておいたほうがよいと思った。

 当日の手元メモを見ると他にも

  • 製造業は製品の設計情報をきちんと作り纏め整理しているのに対して、サービス業でサービス設計情報を作っているところはほとんど無い
  • サービスのCS(顧客満足)は事前期待と実績評価の差で相対評価である。したがってサービスの場合は良い意味での裏切りを目指すこと。このためには実績評価の向上だけでなく事前期待の適正化も大切

なんて名言が残っていた。ネットで調べてみると、けっこう講演や執筆などをされているようなので、是非また今後機会を見つけてお話しをお聞きしたいと思っている。

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