オルタナティブ・ブログ > ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦 >

エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

上流下流工程の分離が問題

»

 一つ前に突然の番外編を入れてしまったが、今日はちょっと真面目にシステム開発についての話。

 先日吉岡弘隆さんの「ユメのチカラ」の「開発工程を別々に担当してはいけない」という記事を読んでちょっと考え込んでしまった。SI(システムインテグレーション)の現場で行程を区切ることは悪ではないかという指摘である。

 SIの現場では、ちょっと大きな規模の開発になるとたいていウォータフォールモデルで行程を分離する開発方式がとられる。これは私がこの業界に入った15年以上前に既に取られていたやり方で、最近でも余り変わっていない。私自身も常日頃の業務ではこのやり方を取るほうが多い。組織の壁の問題もあって、通常は上流行程を担当するコンサルタントは要件定義書を作るまででそれ以降はSEが担当という分担になる。
 しかしながら、最近は上流工程を担当したコンサルタントをプロジェクトの後半まできちんと参画させるケースも増えてきている。そして実際にそうしたプロジェクトのほうが炎上する確率が大きく下がるように感じている。

 そういえばモノづくりの現場では近年、少人数のグループによるセル生産方式とかひとりの職人がその製品の全工程を担当して出来上がった製品には個人名のサインが入るというようなマイスター制度なんてのが注目されている。
 もしこれまでSIで採用されてきた行程毎に担当を変える方式がその昔に製造業の工場なんかで取られたライン式の生産方式を参考にして出来上がったならば、今モノづくりの現場で起きている逆の動きから学んでみるのもアリだなぁと思った。

 行程毎に担当を大きく変えないSI(システムインテグレーション)のやり方についてもっと考えてみようと思う。それもできれば組織の壁だとか会社の方針とかいう部分に行き着かないような発想で。

Comment(6)