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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

Notesの限界

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 最近また巷でNotesマイグレーションの話題が出てきているようだ。(このところ周期的に発生するので季節の風物詩的な感じもあるが・・・)以下のようなニュースも流れたりしている。
「サッポロビール、2008年にノーツ撤廃」
 
 何度か書いているが日本ではグループウェアといえばNotes/DominoというくらいNotes/Dominoのシェアは依然として高い。このNotes/Dominoを使い続けたほうがよいのかNotes/Dominoを辞めたほうが良いのかという問題は簡単なものではない。各企業でのNotes/Dominoの利用状況や他のシステムとの連携状況、IT部門の戦略などとも密接に関連するからである。
 
 さて移行の是非や手段を論じる前に、これまでにNotes/Dominoをインフラとして使っている企業の悩みや課題を一度整理してみたい。以下に私がこれまでにNotes/Dominoユーザから聞いてきた課題や問題点を分類して箇条書きにしてみる。

■クライアントサーバ方式による欠点
・クライアントソフトの配布やバージョンアップの手間が煩わしい
・バージョンアップのコストが高い

■独自アーキティチャーによる問題
・クライアントソフトのインターフェースがマイクロソフト系のソフトウェアやブラウザに比較すると独自である
・NotesサーバとWeb系システムとの親和性の低さ
・DominoによるWeb化は、ピュアなWebアプリケーションよりも処理が重くてレスポンスが悪い
・Webとの親和性が低いのでアクセスログ解析やトラックバックの機能が使えない
・基幹系システムと連携がしにくい
・ディレクトリが分散されてしまう

■機能面の不満
・メールの保管容量に制限がある
・スケジューラが日本の文化にあっておらずつかいづらい
・検索機能が圧倒的に弱い

■EUC展開の服罪
・部門・用途ごとのデータベース構築によるDBの氾濫
・データベースが蛸壺式になってしまい、必要な情報のありかがわかりにくい

■運用/維持/管理のコスト高
・Notes技術者人件費高
・スキル自体が陳腐化しつつあり要員やノウハウの外部転用ニーズの縮小
・要員のモチベーションの低下
・バージョンアップの都度ソフトウェアライセンス費用がかかる

 ずらずらと書き連ねてきたが、Notes/Dominoには長所もあるし、そのものズバリNotes/Dominoを代替できるツールは少ない。それ故これらの課題を解決することは多くの企業にとって今頭の痛い問題である。IBMはようやくNotes/Dominoの将来のロードマップを提示したが、これらの課題への具体的な解決策は示せていない。Notes/Dominoが限界に近づいていることは確かなようだが、新しい道もまだ明確になっていない状況にある。

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