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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

SNSに欲しい機能

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 SNS関係のエントリーが続くが、非常にタイムリーなことに今朝の日経新聞朝刊に「GREEがSNSを使って口コミ情報を共有するサービスを始める」という内容がでていた。

 昨日SNSの新しい使い方や機能を考えてみると書いたが、このことについて以下若干発散的になるがアイデアだしということで進めてみたい。

 私個人が考える今のSNSを使って出来ると面白いことの筆頭は、やはり「人脈」を創ったり育成することではないだろうか。単なる出会いではなくビジネス上の付き合いやお互いに高めあえる人に出会いたい、出会う機会を増やしたいと思うビジネスマンは、私だけでなく世の中にはかなりいると思う。
 
 ちなみに、SNSと人脈形成に関する調査データには、
人脈形成ツールに見る SNS の可能性はいかに!?

というものがあるが、この調査では「人脈形成に有用なツール」を電子的なものに限ってしまっているので、この結果には若干恣意的な印象を感じる。ここにあえて書くまでもなく、人脈形成に最も有用なのは「実際に会って会話すること」だろう。そして新しい人と実際に会うための最も有効なツール(手段)は、その人を知っている知人を介して紹介してもらうことである。

 さてそうなるとネット上のSNSに今後欲しい機能は、やはり「○○さんを紹介して」といった機能となる。インターネット上には既に“モノ”の融通をするオークションサイト(逆オークションサイトを含む)があるが、これの“ヒト”版の機能がSNSに付与できると便利ではないか。このような誰かを紹介して欲しい人と紹介できる人のマッチング機能があれば、SNSのビジネス利用は一気に加速するかもしれない。具体的な機能としては“紹介してください”“紹介します”的な単純な掲示板にいくつかの拡張機能を付与する形式が考えられる。

 SNS参加者側のこの機能に対する意識も分析しておこう。紹介をして欲しい側は、もともとニーズがあって必要に応じてお願いできる場ができるということで問題はなさそうである。逆の紹介をする側のモチベーションが持つかどうかである。この場合の紹介するという行為のモチベーションの源泉は、紹介をすることによる自分自身の人脈の形成と言うものになりそうである。
 既に知っている人同士を紹介するのではなく、あまり良く知らない人からの紹介を取り持つ場合は、まずその人と連絡をとりコミュニケーションをとることになる。そして、当然紹介して欲しい目的などを聞くことなるので以前より親密度が増すし、最終的に紹介をするしないに係わらず自分の人脈は広がることになる。これが紹介をするというモチベーションになると予想する。
 そして、紹介にあたり紹介する人がSNSに参加していなければ、その人にSNSへの加入を推薦するだろうから、SNSの運用側には、これによる加入者増というメリットがある。

 但し、このモデルの場合容易に想像がつくのは、ネットで多く見られる「教えて君」ならぬ「紹介してして君」が溢れる可能性である。紹介して欲しい人の数に対して紹介できる人の数が圧倒的に少なくなることは容易に想像できる。したがってこのモデルの実際の適用には、もういくつかのアイデアと工夫も必要そうだ。
 過去には「合コン専用SNS」という類似のモデルが破綻した例もあるようなので、その際の失敗の原因分析も必要だろう。
 ただ現実に世の中のある種の営業員、例えば保険商品などの営業というビジネスでは、人の紹介や仲介を既にビジネスモデルに取り込んでいるフシはあり、ネットで知らない人を紹介する(してもらう)というモデルもあながち非現実的なものだとは思えない。

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