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相互運用性: ブロックチェーンの成功に直結する触媒

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ブロックチェーンの真髄は、一部にはトランザクションの発効における中間的役割の必要性を排除する能力に起因します。そこから生まれる分散化の性質により、中央集約型コントロールの枠組みが完全に回避される一方で、透明性と安全性ももたらされるのです。

最も人気のあるブロックチェーンプラットフォームとなったBitcoinやEthereumの他に、他のブロックチェーンプロジェクトでも独自のパブリックチェーンを作成し、あるいは作成中であり、トークンと併せて独自の運用システムを開発しています。現在世界には運用中の仮想通貨が1900種以上あり、そのうちのいくつかは異なる取引所でもトレードされています。

ブロックチェーンプロジェクトのほとんどはBitcoinおよびEthereumのERC20トークン標準に基づいており、ここ数年の間に得た大きな人気によりEthereumの採用率がより高くなっています。これはスマート契約の提供や分散型アプリケーションのための枠組みの作成により開発者のプロセスをより簡単にしてくれる、プラットフォームの能力による所が大きいでしょう。ほとんどの取引所ではEthereumを採用しているため、ブロックチェーンプロジェクトはトレードしやすくするために、ERC20標準に基づいて構築されるのです。

結果的に、ほぼ全てのプロジェクトがERC20トークン標準を元に開発されて市場のトークンの80%を越える量となり、Ethereumがほとんど標準となるまでに成長しました。しかし、開発者はEthereum用のプログラム言語であるSolidityを学ばねばならず、これがかなり骨の折れる仕事であるとともに、コンピュータプログラミングのスキルを持つ、あるいはそのためのリソースを持つ者だけにプラットフォームの使用が制限されてしまうことになるでしょう。

相互運用性が問題となる場合

ブロックチェーンは本質的に、トランザクションが透過的に、また安全に実行される分散プラットフォームを作るものであると考えられています。これについては、ブロックチェーンにおいてすでにいくつものトランザクションが実行されていることからも、とうに実践されているのを見てきました。

しかし、ほとんどのブロックチェーンプロジェクトがERC20トークン標準に基づいて構築されているにも関わらず、同じブロックチェーンプラットフォーム上にありながら、異なるプロジェクトが互いにやりとりすることは未だに極めて難しいままです。理想的には、ユーザーが障害なくブロックチェーン上で、あるいは異なるブロックチェーンをまたいで互いにやりとりし、トランザクションを行い、またコミュニケーションを取ることができれば良いのですが、これは現在まだ実現していません。例えば、Digital identity with Civicを使用しているユーザーは、こちらもまた同じEthereumベースのトークンを使用しているにも関わらず、OmiseGoのインターフェイスと繋がることができません。ブロックチェーンが真に効果を発揮し、その描く姿や約束に応えるようになるためには、障害なく複数のチェーンを結びつける方法がなければなりません。しかし、現時点では、同一のパブリックチェーン上のトークン同士が互いにやりとりすることは困難です。異なるパブリックチェーンをベースとするトークンの場合は、ユーザーが各チェーンに別々のアカウントを登録しなければならず、それば極めて慌ただしいことから、より一層困難であることが分かっています。

さらに、セキュリティやトランザクションの容易さ、その他様々な理由から別のパブリックチェーンに切り替える必要性を感じた場合、他にもいろいろと変更手続きを行うなど面倒な障害があるために、ユーザーにとって難しく感じられることでしょう。

ブロックチェーン上のあらゆる個別のエコシステムをまたいで、ユーザーが簡単に障害なくやりとりし、交換し、コミュニケーションを取ることができるような汎用的なエコシステムを作るためには、橋のようなものが不可欠です。例えばAionがすでにAionコイン用に簡単にトークンを交換できるプラットフォームを提供しているように、数多くのブロックチェーンプロジェクトが様々な方法でこの橋の作成に乗り出しています。Arkも適切な相互運用のために様々なチェーンを結びつけるエコシステムの構築を目指しています。

もう1つの鮮明な例として、中国のパブリックチェーンであるMetaverseをご紹介しましょう。このチェーンでは最近になってクロスチェーントークンスワップを導入しましたが、これはあるパブリックチェーンをベースにするトークンを別の全く異なるトークンをベースとするパブリックチェーンのものと交換できるようにするものです。簡単に言えば、Ethereum ERCベースのトークンをMetaverse MSTベースのトークンと簡単に交換できるということです。Metaverseはただ相互運用を提供するだけでなく、他にもEthereumがそのレイヤ化プロセスに起因して重大な攻撃を受けたことを考慮してセキュリティも約束しています。Metaverseはこれについて、ユーザーの資産とアイデンティティを守り潜在的な攻撃をチェックするシステムを設ける異なるプログラミングレイヤを採用することにより対処します。Metaverseでは以前よりブロックチェーン上でユーザーに対しデジタルIDおよびデジタル資産の枠組みを提供しており、一方ではプラットフォームの使用においてできる限り複雑さを排除することを保証しています。ユーザーはEthereumのようにプログラミング言語のSolidityを学ぶ必要がなく、おかげでプログラミングのバックグラウンドを持たないビジネスでもブロックチェーンプラットフォームを利用しやすくなっています。

ブロックチェーンの知識や専門知識が世界規模で発展するに連れ、分散化型の世界におけるすべてのエコシステムを障壁なく結びつけるために1つのエコシステムを作ることが再優先事項です。同類のチェーン上の似たようなプロジェクト同士であってもやりとりに障壁があるというのは確かに有益ではありません。前述のようなプロジェクトではすでに保証されているように、この既存のギャップが埋められれば、世界規模でのブロックチェーンの採用が真に効果を発揮するものとなるでしょう。

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