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ゲーム業界におけるブロックチェーンの使い方

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ゲーム業界におけるブロックチェーンの使い方

ブロックチェーンは、いくつものメジャーな産業を分裂させ始めた。その産業に属す企業たちは非中央集権化の技術を用いて広範囲に及ぶ問題を解決するとともに、新しい可能性を導きだそうとしている。ゲーム業界は今まさにその技術によって変わろうとしている産業だ。そこでは、開発者、販売戦略担当、小売り店舗のゲームに関わる三者がブロックチェーンの力を活用していこうと試みている。

この状況の最たる例はCryptoKitties である。「スマートな契約を」という原理を元にデザインされた仮想通貨イーサリアムを用いて、この企業の顧客は、イーサリアムを通じてゲーム内の猫を繁殖させたり、交換したりすることができる。およそ150万人ものユーザーがこれまで4000万ドルにも及ぶ企業の売り上げに貢献している。VentureBeat によるとユーザーはたくさんのセレブにまで及ぶと言われ、その一人がゴールデンウォリアーズに所属する、世界最高のバスケ選手Steph Curryである。CryptoKittiesが開いた市場の下、それに関連するOpenSea というベンチャー企業も200万ドルのファンドを集めることに成功した。

他にも仮想通貨や、ブロックチェーンの技術を使っている有名なゲームがある。それはマインクラフトである。現在マイクロソフトはマインクラフトの開発者に対して彼らが手掛けた作品に対してMonteCrypto と呼ばれる仮想通貨で売買することを促している。The Bitcoin Enigmaというパズルゲームはゲームをコンプリートした最初の人に1ビットコインをプレゼントしている。さらには、仮想通貨のマイニングプラットホームであるGammaNow は、ゲームプレイヤーのパソコン処理スピードを上げることを推奨させるために、成績に応じてゲーム内の戦利品やアイテムを報酬として与えている。

ゲーム業界における仮想通貨、ブロックチェーンの進出というのは全体としての仮想通貨、ブロックチェーンにとって多かれ少なかれいい知らせであることは間違いない。マインクラフトは1億4400万人がプレーする世界で二番目に人気のゲームであり(テトリスに次ぐ)、ゲームのコンテンツを売るために仮想通貨を用いるという歴史的な決断は仮想通貨を支え、世界中の人々に暗号通貨を行き届かせることが可能になる。League of Legends, Hearthstone, and Overwatch (総ゲームプレイヤー数1憶人)などの人気ゲームを保有するGammaNow もまたそれらの新テクノロジーをゲーマーに触れる機会を提供している。 CryptoKittiesもプレーヤーたちに、ブロックチェーンの普遍的かつ絶対の情報を与えている。これらのゲーム業界で行われてることは仮想通貨、ブロックチェーンにとって最も大きな恩恵をもたらす。ゲーム業界でのこれらの受け入れの重要さは、専門家の知見からしても、控えめに述べることはできない。しかしながら、この仮想通貨と、ブロックチェーンの流行という中でも大きなハードルがある。それは、テクノロジーのコンセプトを理解していない人たちにとって、ブロックチェーンや仮想通貨の本質を感じることが難しいということである。

"immutable" や "unalterable" と言った言葉は一般的な人にとっては、親しみのない言葉に違いない。これらの言葉の概念というのはテクノロジー分野の文脈において使われる時、英語以外の言語では訳されにくい。しかし、ここでビデオゲームを用いてブロックチェーンの恩恵や、アイデアを明確にする事で、人々はブロックチェーンを使うプロジェクトに対してより肯定的になり、受け付けやすくなる。

これらの難しい言葉を一般に広げて行くために、上記のゲームたちは価値があり、有効である。しかしながら、ゲームで使われる仮想通貨や技術に対する興味を人々の中で維持させるような努力は全くなされていない。特にThe Bitcoin Enigmaはその一例である。プレーをして優勝すれば1ビットコインを貰えるというアイデアは、大いに人々の視線を集めることは間違いない。しかし、ここでの疑問は、そのゲームで賞金を獲得された時、今後人々は継続的関心を仮想通貨に対して持ち続けるかということだ。他にも同じような状態が見られる。GammaNowにおけるマイナスなアプローチは、マインクラフトの購入オプションにおいて仮想通貨ではない法定通貨もあるということだ。CryptoKittiesでの仮想通貨の使用法は、ゲームプレイ内で使われるというよりも、もっと浅いものになっている。どちらのゲームの母体会社も仮想通貨やブロックチェーンに対して寛大な対応と、深い知見があるだけに、使用が限られるのは残念である。

業界の一つ、Spil Gamesの集計によると、世界中には、12億人のビデオゲームプレーヤーが存在するという。ゲーマーは、比較的に素早く新しい技術や、ゲームのコンソールを吸収するものである。(例、バーチャルリアリティのヘッドセットや、モーションコントロール)この記事Mediumにおいて, Alison McCauley はなぜゲーマー達がブロックチェーンの技術をすぐ理解し吸収するのかという問いに対して、素晴らしい解答を見せた。それは、これまで筆者がプッシュしてきた意見と同じで、ゲーマーはゲーム内のコンテンツを買う際に仮想通貨を使用してその存在に既に慣れているためである。

これまで述べてきたことの最大のポイントは、もしも、ゲーム開発者たちが、ゲーマーの知識の吸収力の速さというものに最大限譲歩することができたとしたら、ブロックチェーンにとってゲーマーの存在というのは、莫大な投資対象となり、計り知れないポテンシャルを生み出すかもしれないということだ。

私たちは今後ゲーム開発者が「ブロックチェーンの交流を活発にさせる」というアプローチを取るということを確信している。 自身をブロックチェーンにおける「virtual LEGO」と呼ぶLeblockというゲームがある。このゲームのキャッチフレーズはメタバースブロックチェーンと呼ばれる技術に由来する。 プレーヤーたちは五つの異なる希少性の高いブロックをマイニングする際のコンピュータの力を世界中のプレイヤーたちと繋がることや、ゲーム内の景観を作ることや、武器、キャラクター、アクセサリーの購入に使える。

そのゲームでは、ブロックが生成されゲーム内のアセットになり、ブロックチェーン上に記録されるたびに、メタバースブロックチェーンのデジタルアセットやデジタルアイデンティティの能力を使用する。その生成内容や、記録は全て今後変えられないものとして永遠残る。LeblockのブロックはETP仮想通貨(メタバースの公式トークン)を通してほかのプレーヤーたちに売られたり、交換されたりする。これらは、プレーヤーたちに更なるプレーへのインセンティブや、関わりを持たせる。

Leblockは、そのゲームをブロックチェーン版のレゴやマインクラフトと並ぶものにしようと熱心に活動している。 ブロックチェーンを基盤にしたゲームはプレーヤーたちの創造力を膨らませようとデザインされ続けた。ブロックチェーンの技術をとして、ゲームプレイヤーたちが考えているコンテンツを実際に創れるということはブロックチェーン界全体にとって繁栄をもたらし、技術的な向上をもたらす。 この結果はすでにLeblockのユーザーに見られている。 ブロックチェーンを利用するその他のゲームでは、10万ものプレーヤーが存在するのにもかかわらず、その中の数パーセントしか実際にプレーしていない。しかしLeblockでは、六万人のプレーヤーの3分の1もがアクティブな状態にある。この顕著なアクティブユーザーの高い割合はこの種のゲームにすでに高い興味が存在することを示しており、ブロックチェーンの可能性を広めて行くという目標を前進させ、コミュニティを成長させるはずである。

LEGOやMinecraftというツールを通して、人々は自分が作りたいものは自分で作れるという考えが普及した。 その培った技術で、レゴで作ったピンボールやマインクラフトで国の模型シュミレーションのような、もっと大きく、大胆なプロジェクトを可能にした。

同様にして、ブロックチェーンゲームを通して、Leblockはその活動や提供しているツールによって次世代のファンに、彼らの創作意欲を高めさせ、新たな可能性を与えている。そして同時に、その活動は、ブロックチェーンの技術が今後も、長く愛されていく支援に繋がっている。

文=Kenny Au

訳=菅井脩

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