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クラウド事業者の選択~「水道会社」になるのか、「飲料会社」として生きるか。

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 クラウドを蛇口をひねれば水が出る水道に例えることが多い。

 ITの利用者にとって、この例えはわかりやすいだろう。

 その水が利根川の水だか、相模湖の水だかを知らずとも一定の品質の水が必要な時に必要な分だけ低価格で得られるという例えである。

 一方、IT企業のクラウドビジネスという意味でも、水道の例えはわかりやすい。

 水道会社というのは、一つのエリアで存在するのは1社であり、競合が存在するわけではない。逆に言えば、1社しか生き残れないのである。

 既に大きな設備投資を行って、大きなエリアで大規模に展開し、利用者から信頼を獲得している水道会社がある場合、新しい会社が参入するのは、法律の問題を除いたとしても、極めて難しいのだ。

 もし、そこに参入したければ、明らかに水道とはまったく違った、電力、ガス事業者などのユーティリティサービス業者として参入する必要がある。

 コモディティ化した製品、サービスをユーティリティサービスとして広く安定的に提供する市場では、明確に違うサービスを提供するか、大きなインパクトを与える破壊的な価値を持たなくてはならない。

○パブリッククラウド事業者として勝ち残るには

・世界レベルでビジネス展開(コモディティ化したサービスを低価格で安定して提供)

が必須である。

今後、パブリッククラウドでは世界レベルでユーザーを増やすことで低価格化が進むが、その価格競争に勝たなくてはならないからである。

 クラウド事業者としてのもう一つの選択肢は、

○飲料会社になること

である。

 水道のように継続的長期的に利用するのではなく、必要な時に販売機やコンビニで買うような飲料品を提供することである。

 コーラ、オレンジジュース、ビール、そして、ミネラルウオーター、、、と多くの飲料品がコンビニやスーパーで販売されている。
 どれもが基本は水道水を利用ているが*、それに、お客様の趣向に合わせたラインナップを用意している。

 これは、世界規模で展開しているPaaS、IaaS事業者のサービスを利用して独自のサービスメニューを用意してオンデマンドで提供することになる。

 クラウド業者が、

自前でデーターセンターを持って世界規模でインフラやUtilityサービスを提供し、価格競争、サービスレベル競争に打ち勝っていくのか、

既存のIaaS、PaaS業者のインフラという水道水を利用して飲料メーカーのようなサービスをオンデマンドで提供していくのかを決断しなくてはならない時は近い。

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