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次なるムーンショットを可能にする若さの爆発 ~ OYWからFOCUSへのSDGsリレー

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世界初の無観客オリンピックと時を同じくして、若い世代による地球の持続性への挑戦も勢いを増しています。7月22日~25日にはドイツ、ミュンヘンでOne Young Worldが開催。来年の東京大会へのバトンを繋ぎました。

昨年から、筆者がOne Young Worldと並行して応援しているのが、立命館宇治中学校・高等学校が多様なメンバーを繋ぐFOCUS(フォーラム・オン・クリエイティング・ユナイテッド・ソサイエティーズ)の取り組みです。文部科学省の下、世界で活躍するグローバル人材を育成するWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業の一環として、今回4度目となる実績が評価されています。コロナ下で2度目のオンライン開催となった「FOCUS 第4回全国高校生SRサミット」は初めて小学生、中学生、大学生を交え、高校生を中心とした400人規模が参加しました。710日~11日には120以上のプロジェクトが3ブロックに分かれてリーダー合宿を実施、712日~30日は社会人120名とともにメンタリングを重ねました。

昨年はメンターを務めた筆者は今回オブザーバー。最終プレゼンを見守り応援する立場として、731日、81日の最終オンラインイベントに参加しました。731日土曜日は、認定NPO法人 very50の副代表 谷弘 望氏がファシリテーターとしてダイバーシティマネジメントにおける感情の大切さ、誰のどのような問題を解決するかというアイディエーションの要などを、創意工夫を交えて楽しく伝え、生徒のやる気を盛り上げました。チャット蘭には毎秒のようにたくさんのコメントやリアクションが寄せられ、チーム全体の緊張とドキドキが伝わってきました。

翌8月1日日曜日は、午前中に12グループに分かれて各プロジェクト7分間のプレゼンテーション。「混ざって創る、混ざって変わる、違いを楽しめ」を合言葉にそれぞれが、人類が月に到達するムーンショットのように歴史を変える社会課題解決のアイディアを洗練させ、発表最終に臨みました。午後にはその中から選ばれた5プロジェクトが、全員に向けて再度プレゼンテーション。最後の1時間は、個々のプロジェクトやSNSアカウントのPRタイムで小学生から大人までが一体となり、元気が爆発しました。

筆者の昨年のメンター任務では、2週間にわたって、担当する英語グループの高校生たちが、国を超えてまずはログイン、会話を始め、意見集約、プレゼンテーション作りに苦労するのに伴走。10代らしい若々しさと力強さ、最後の発表にたどり着くまでの過程に感動しました。オブザーバーとなった今年は、最終日の限られた時間のなか許された範囲で、最終発表のみを拝見する立場として、高校生たちの磨きがかかった挑戦力に拍手しました。

「40代~50代の指導者層はジェンダー問題に苦手意識がある。大人がジェンダー格差による社会問題を自分事にする取り組みを」「日本がジェンダーギャップ120位に留まっているのは、幼児教育から男女格差の意識が刷り込まれ蓄積されているのからではないか。10代だからこそ子どもと大人をつなぐ役として、保育園・幼稚園での意識調査をおこなっては」といった、鋭い指摘は、SDGsネイティブの高校生ならでは。未来を率いる英知が溢れていました。ジェンダー平等以外にも、貧困、飢餓、健康と福祉、エネルギー、生物多様性など、120プロジェクト全体でSDGs17ゴールを網羅する課題へのアプローチが共有され、興奮の最終日を閉じました。

多様性を受け入れるのは、既存の組織や、生まれ育った時代背景が今とは異なる大人には困難なのは事実です。しかし、多様性を受け入れ、社会の調和を生み、一人ひとりが自分の考え方、そして行動を変えていくことでのみ、地球の持続が可能になります。人類が必要なのは、若い世代から学び変革を続けること。FOCUS2021閉会後もメンバーである生徒たちのプロジェクトは続き、 2022年1 月にAFTER FOCUSにて進捗の発表が行われます。

PRタイムに発言した小学5年生の「私たちが地球を守る!自分にできることを実行しよう」という言葉と実践に感嘆した、最高の日曜日でした。

混ざって創る.png

FOCUS 第4回全国高校生SRサミットのテーマ「混ざって創る、混ざって変わる、違いを楽しめ」:7月31日のけん引役、認定NPO法人 very50 副代表 谷弘 望氏のスライドより

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