世界人口の半分がインターネットにアクセスできない今 ー 格差を埋めるクラウドフレア「プロジェクト・パンゲア」がもたらす力
人類初の無観客形式で東京の夏季五輪が開幕、さまざまな試合から生まれるドラマが感動を呼んでいます。205カ国・地域と難民選手団を合わせ約1万1000人の選手が集まるトップアスリートの試合が、画面越しに世界中のサポーターから観戦、応援されています。一方で、残念なことに世界の人口の約半数がいまだインターネットにアクセスできていないのが現状です。多くの人々が貧弱にさらされ、情報へのアクセスが制限されているのです。そしてこれは、発展途上国に限ったことではありません。インターネット先進国である米国ですら、2,100万人もの人々が高速なインターネットへのアクセスがありません。
このインターネットインフラ整備の不均衡と、情報格差の解消のために、「より良いインターネット環境の構築をサポートする」を標榜する米クラウドフレアは7月26日、新しい取り組み「プロジェクト・パンゲア」を発表しました。パンゲアとは、現在の諸大陸は古代、分裂する以前に一つだったという、歴史的仮説および発見を象徴する言葉であり、すべての大地を意味します。プロジェクト・パンゲアによってクラウドフレアは、世界中のインターネットアクセスを改善するための無償の取り組みを開始しました。
プロジェクト・パンゲアは、参加するコミュニティにおける
・高速なインターネットへの無料アクセスの確保
・安全で高機能なネットワークの利用
・サイバー攻撃に対するネットワークの回復力
を実現し、サービスが未整備の地域におけるインターネットアクセス拡大を無償で支援しています。
この発表にあたり、クラウドフレアの共同創業者兼CEOのマシュー・プリンス氏は、「安全で信頼性が高く、持続可能なインターネットアクセスは、基本的な人権です。しかし残念ながら、多くのコミュニティが独自のインフラを構築する一方で、高いネットワークのコストに苦しんでいます。私たちは、できる限りの支援をしたいと考えています。クラウドフレアは、こうしたコミュニティが、パフォーマンス、信頼性、安全性に優れたインターネットを利用できるように支援したいと考えています」とコメントしています。
世界経済フォーラム(WEF)のガバナンス トラスト部門の責任者であるダニエル ドブリゴウスキー氏は賛同し、「WEFでは、『万人のためのインターネット構想』に始まる様々な取り組みで、インターネットへのアクセス拡大に尽力してきました。クラウドフレアのプロジェクト パンゲアは、世界をつなぐより平等で、信頼できるインターネットへの貴重な貢献として高く評価しています」と述べています。
日本では2019年、閣議決定された令和元年度補正予算案において、子どもたち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育 ICT 環境の実現に向けて1人1台の端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する環境整備のための「GIGAスクール構想」が発足しました。そしてコロナ下で加速したデジタル化、ネットワーク活用の需要の高まりによって、子ども達のためのインターネット整備が進んでいます。
しかし、それは日本におけるごく一部の前進であり、世界のインターネットをより良くするためにはより大きな協力、民間の力が必要です。インターネットの発展と利用を促進する世界的なNPOインターネットソサエティのインターネットグロース部門の上級副社長ジェーン R コフィン氏は、「コミュニティが発展するためには、学校や仕事、機会、そしてお互いにつながるための接続性が必要です。クラウドフレアのプロジェクト・パンゲアが、インターネットを必要としている人々により安全で効率的な、よりオープンでグローバルなインターネットに貢献する」と期待を寄せています。
現在、南アフリカの農村部ミュニティが所有する無線ISPのZenzeleni Networks NPC、スコットランドのコミュニティネットワークの協同組合HUBS、アルゼンチンのフリーコミュニティネットワークの活動家グループAlterMundi、デジタルデバイドを解消するためにニューヨーカーと共に活動している米国最大のコミュニティネットワークであるNYC Meshなどが、プロジェクト・パンゲアへの参加を表明しています。
地球の持続性を支えるより良いインターネット環境の構築への期待が高まります。
クラウドフレア(日本語)
https://www.cloudflare.com/ja-jp/
プロジェクト・パンゲア概要および申込(英語)
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