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優秀な人材を惹きつける「テクノロジー投資」と「経営者のITリテラシー」

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米国6月16日、バックアップソリューションを提供するVeeam Softwareは米国連邦政府向けに特化した子会社、Veeam Government Solutions, Inc.(VGS)の始動を発表しました。Veeamは2006年創業。わずか15年で成長を遂げ、バックアップ市場でシェア2位になっています。日本には2016年に進出し、翌2017年12月にはグローバルテクノロジー企業で30年の経歴を持つ古舘 正清氏が執行役員社長兼バイスプレジデントとして就任。世界平均を上回る日本市場の成長を率いています。

ふり返ると米国にて、世界で最初の商用コンピューターであるUNIVAC I (UNIVersal Automatic Computer I) が登場したのは1951年。当時のバックアップ媒体はパンチカードでした。以来、70年にわたり天文学的に増大するデータ量を守るバックアップテクノロジーは進化し、ソフトウェアベースのVeeamの成長につながっています。

「DXが掛け声倒れで進まない」「経営者、ユーザー企業のITリテラシーが低い」といった悲嘆を聞くことが多い日本で、どうしたら優れたテクノロジーにより優れた人材を引き寄せ、成長を促進できるのか。Veeam日本法人の古舘氏と、VeeamのAPJ(アジア太平洋および日本)地域シニアバイスプレジデントのシヴァ・ピレイ(Shiva Pillay)氏の、人材視点のテクノロジー考を取材しました。

■「ショー・マスト・ゴー・オン」の環境を守る

2020年、世界のビジネスリーダーが再認識したのは、予期せぬパンデミックに対応する事業継続の重要性です。従業員が新しい常識の中で働き始めたことで、企業によっては離職率が上昇しました。こんな時にこそ優秀な人材を確保することは、将来的なビジネスの成長に不可欠です。そのためビジネスリーダーは、コロナを含めどんな障害に直面しても、従業員を維持し、働きがいがある仕事を継続できる環境を支えるテクノロジーを採用し続けることが必要なのです。

■マイクロマネジメントではなく思いやり

在宅勤務への移行の良し悪しは、企業によって分かれたと言えるでしょう。思いやりのある施策を受けた社員は、自社がいかに理解があるか感謝する一方で、過度なマイクロマネジメントを受けた社員は不信感、不満を募らせました。マクリンドル社の調査によると、オーストラリア人は、「雇用主が在宅勤務などの勤務形態制度を柔軟にした場合、その会社に長くとどまる可能性が80%高い」という結果が出ました。

コロナ下における従業員のための施策は、求職者にとっても特に重要な基準です。働きがい、働きやすさを実現するテクノロジーを活用することで、優秀な人材を集め、維持することができるでしょう。優秀な人材は、現状に即した最新の就業規則やルール、ポリシーを求めています。思いやりのない組織からは従業員が去り、取り残されていくでしょう。

■テクノロジーマジックの法則

コロナ下にある今、企業ITにとって「俊敏性とコラボレーションを最大化すること」が、これまで以上の優先事項です。時間に追われる従業員は、立ち上がりが遅いソフトウェアを待っている暇はありません。だからこそテクノロジーをモダナイズし、従業員のニーズを満たすことで、ビジネスのパフォーマンスが向上し、組織全体のストレスレベルを下げることができるのです。

平凡な繰り返し作業も、時間の無駄遣いであることは明らかです。自動化は、従業員を煩わしい業務から解放します。マッキンゼーの調査によると「従業員の約60%が、仕事のほぼ3分の1を自動化できる」と答えています。リモートで働くということは、賢く働くということでなければなりません。組織全体を自動化するサービスを導入することで、より魅力的な職場環境を整備し、ひいては企業の士気を高めることができるでしょう。

■重要なデータを守るための「責任分担の考え方」

ユーザーにはなかなか認識されていないのが、「クラウドにおける責任共有モデル」というクラウド事業者と利用者の管理権限に応じた責任分担の考え方です。例えば、「Microsoft 365はクラウド上にあるため、データのコピーを保存する必要はない」というのは誤解です。そしてあいにく従業員が誤ってファイルを削除したり紛失したりして作業内容が取り出せなくなったりしたときに発覚し、問題が勃発します。マイクロソフトは、Microsoft 365の稼働を維持するためのサービス品質保証を提供していますが、データの責任はマイクロソフトではなく、ユーザー企業にあるのです。

重要な企業データを守ることは、従業員の仕事を守ることを意味します。だからこそ、従業員のスキルや経験、生産性を向上させる責任を持つビジネスリーダーは、データとテクノロジーのあり方を理解する必要があります。企業は、どんな障害があっても、データが常に利用可能なように保護しておく必要があります。Microsoft 365のみならずExchange Online、SharePoint Online、OneDriveなどいずれも、クラウドに保存されているデータは、バックアップとリストアをしっかり実装することではじめて、アクセスできなくなるリスクを排除できるのです。

柔軟な働き方と働きがいを支える自動化やバックアップのテクノロジーによって、優秀な従業員が集まり、生産性を高めることができます。これからのビジネスリーダーには、一人ひとりが勤務できる環境を整えるテクノロジーリテラシーが求められているのです。

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働きやすさ、働きがいを支えるテクノロジー(イメージ) Photo by ThisisEngineering RAEng on Unsplash

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