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社員の時に見ていた店の状況、オーナーになってから見ている店。見ている方角が違うとこんなにも違うコンビニの光と影。お客様とは何にも関係無いところで巻き起こるあれやこれ。(笑

コンビニが24時間営業をするワケ

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 環境問題等で一部では問題視されているコンビニ24時間営業。コンビニが24時間営業するには、顧客の利便性追求の他にもいくつかの理由がある。いや、顧客の利便性追求はタテマエなのかもしれない。

◯オープン・クローズ作業は意外にめんどくさい
 コンビニが日本に出現した時の代名詞とも言っていいだろう7時〜11時営業を例に話を進めると、7時に開店するためには、6時には準備を始める必要がある。23時に店を閉めると、0時までは後片付けがありそうだ。
 クローズ・オープン作業共に、お客様のいない環境での作業なので、気の楽な労働ではあるが、感覚としては「閉めた途端に開店かよ」という感じであり、毎日繰り返していると、気が滅入る。
 業種は違うが、筆者は7時開店、22時閉店という飲食店をやっていたことがある。ほぼ睡眠時間が取れずに、何度か寝坊をして開店時間が大幅に遅れたことがあった。
 日本中のコンビニが7−11だったら、年に数回「あれ?開いてないじゃん」って、コンビニを見かけることは間違いないだろう。

◯長時間労働を防止することができる
 前項と関係してくるが、閉店というものがあると、オープンからクローズまでぶっ続けで働きかねない場合が増えてくる。理由は、人手不足を補う動機が薄くなるからだ。何故なら最悪数時間眠れることが「頑張れば何とかなるかぁ」という気持ちにさせる。
 飲食店での経験からすると、人は睡眠さえ取れれば、それ以外が労働でも何とかなってしまう。もちろん、仕事の質は下がるが。
 24時間営業だと、それは許されない。どこかで仕事を打ち切らなければならないので、シフト管理は前記の飲食店にいた時より厳密になる。それが、結果として、無謀な長時間労働を防ぐこととなっている。

◯売上ロスが軽減される
 これがコンビニを24時間営業させる一番大きな理由だ。
 開店や閉店があると前後の売り上げにロスが生まれる。7−11で説明しよう。7時に店を開けると、お客様の流れが始まるのは早くて7時30分、多くは8時となるだろう。23時閉店の場合は、22時で客足は途絶えると見ていいだろう。立地条件が合致しない限り、オープン・クローズの前後1時間は、アイドルタイム(暇な時間)となる可能性が非常に高いのだ。閉店の23時はともかく、開店の7時は、本来ひとピーク欲しい時間帯だ。
 24時間である現状、当店を参考にすれば、6時から7時が売上の第一ピークとなっている。このピークを得るためには、5時には開店させなくてはならない。5時に開店させるには、4時には店に来て準備をしなくてはならない。
 そうなると、最初に書いたオープン・クローズ作業は、ただめんどくさい作業となり、結果、24時間開けてた方が楽なのである。

 と、言いつつも年に1回位1週間程度の休みを取りたいというのが本音だ。休みが取れないわけではないが、店が開いている状態で休むのと、閉まっている状態で休むのとでは、精神的に雲泥の差があるのを、筆者は店舗改装時に経験している。
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