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グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

「雨」が物語る 北島マヤと速水真澄の未来・前編

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はじめに

今回は漫画『ガラスの仮面』シリーズ11弾目まで来ました。今までとは趣を変えて「ガラスの仮面」を「お天気」という視点で考えてみようと思います。

ガラスの仮面は1975年12月に発売された「花とゆめ 1976年1月号」から連載が続いている長編作品です。そのため今回はごく一部を取り上げて考察したいと思います。 どうぞ、よろしくお願いいたします。

『ガラスの仮面』のあらすじはWikipediaのものが一番わかりやすいのでオススメです。

参考:ガラスの仮面 (Wikipedia)
※以下のページの「あらすじ」の項目をご参照下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%81%AE%E4%BB%AE%E9%9D%A2

今回の記事も物語の結末や核心となる部分に触れています。(いわゆるネタバレが含まれます。)この記事は「『ガラスの仮面』のネタバレになっている記事でもかまわない」という方を対象にしています。ご注意くださいませ。

マヤと真澄の恋の行方は天気をチェックせよ!?

都庁前の歩道橋は恋の伏線?

2人の関係がこれからどんな展開になるのかは「その場面の『お天気』をチェックするとわかるようだ」という事実が面白かったので検証しました。

今回の記事では『別冊 花とゆめ』で連載が再開された2008年以降の箇所が多いのですが、今後は『ガラスの仮面』初期も取り上げたいと考えています。

さて、これは単行本43巻を読んだ際に気がついたことなのですが、北島マヤと速水真澄の関係性が大きく動く時に天気の描写が連動している事を気が付きました。そして速水真澄が「マヤ」と口に出す場面も天気と連動しているようです。

例えば単行本43巻で速水真澄が都庁近くの公園で稽古をしている北島マヤの前に現れた時、雨が降り始めます。そしてマヤの手をとって都庁近くの歩道橋の上に呼び出し、歩道橋の上で紅天女を演じられるか問います。(注)
注:『ガラスの仮面』第13章 ふたりの阿古夜(2) 単行本43巻(白泉社)を参照

雨が降る中、マヤは真澄だけがいる都庁前の歩道橋で紅天女を演じようとします。

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※この画像はPIXTAで購入した画像です。

しかしマヤは紅天女を演じられません。そこで速水真澄は紅天女は舞台の上にしか存在しないが紅天女のリアリティを感じさせる演技をしてほしいと伝えます。

速水真澄は都庁前の歩道橋でマヤに切々と本心を訴えていこうとするのですが、そこに桜小路優が割って入ります。桜小路優は「ぼくはこれで」(=マヤちゃんと2人で同じ傘を使うから)という内容の言葉を言った後、速水真澄に傘を差し出します。しかし速水真澄は「けっこうだ」と言って歩道橋の階段を降りていきます。2人には自分の表情を見えないようにしていますが速水真澄の顔は青ざめています。

この後、北島マヤは「紫のバラのひと」に逢うために聖唐人に伝言をお願いします。明日、都庁近くの歩道橋の上でお昼から待っているので都合のいい時に来て欲しいと。

速水真澄は「顔を出せるわけがない」と思いつつ、仕事を理由にして歩道橋の近くを車で通りかかります。その際、ゴシップ雑誌の人相の悪い二人組の記者が北島マヤに嫌がらせをします。それがきっかけで速水真澄は北島マヤが紫のバラのひとを愛している事を知り、動揺します。
注:『ガラスの仮面』第13章 ふたりの阿古夜(2) 単行本43巻(白泉社)を参照

この場面は単行本47巻でマヤが速水真澄の背広を使って演技をしている時の表情と関連がありそうです。

43巻の歩道橋の上の雨のシーンとこのシーンは今後の伏線として非常に重要になります。この場面がないと47巻で北島マヤと速水真澄が両想いになれないだろうからです。歩道橋のシーンは単行本47巻で反転して展開されます。

「PS 携帯は置いていらしてね」が重要になってくる

単行本46巻の後半で鷹宮紫織(速水真澄の婚約者)から速水真澄 宛にデートのお誘いの手紙が来ます。行き先はサプライズ。「PS 携帯は置いていらしてね」という追伸があります。速水真澄は鷹宮紫織がいきたい場所はオペラだろうと思い、お迎えの車で出かけました。ですがデートの場所は豪華客船のワンナイトクルーズ。

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※この画像はPIXTAで購入した画像です。

北島マヤが鷹宮紫織に小切手を返すために船上に乗り込んでいました。その頃、速水真澄は鷹宮紫織が用意したダブルベッドのスイートルームを見て慌てて帰ろうとするのですが、マヤが船員に捕まっている所にでくわします。

鷹宮紫織は単行本46巻で速水真澄と北島マヤが険悪になるように一芝居しくんだのですが、紫織は高速道路の事故渋滞で乗船できなくなります。その結果、北島マヤと速水真澄は2人きりで船上デートをします。

鷹宮紫織が速水真澄に「携帯は置いていらしてね」と手紙でお願いした伏線のおかげで、いつもと違い2人の間に邪魔が入りません。

2人は社交ダンスをした後、甲板で夏の大三角形など星座を見ながら語らいます。夜の甲板には2人だけだったせいか、マヤも真澄も本当の気持ちを素直に話すことができました。鷹宮紫織の策略による2人の間の誤解が解けます。

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※この画像はPIXTAで購入した画像です。

明け方になり、北島マヤが朝日が登り始めていることに気が付きます。マヤは寝ている速水真澄を起こして朝日を2人で見ます。その際、真澄は「暴漢に襲われた夜に自分を看病しながら愛の告白のセリフを言っていたのは夢ではなく、もしかしてマヤなのでは? 」と思い始めます。

そこで朝日が登っている時に、甲板で北島マヤに紅天女を演じて欲しいとお願いします。ここで注目をしたいのは雨の43巻と違って「朝日が昇る中」「甲板で2人きりであること」「マヤが速水真澄の前で紅天女を演じること」です。(注)
※『ガラスの仮面』第14章 めぐりあう魂(1) 単行本47巻(白泉社)を参照

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※この画像はPIXTAで購入した画像です。

マヤの演技を見た速水真澄は、暴漢に襲われた夜、気絶した自分に紅天女のセリフで愛の告白をしていたのはマヤに間違いないと確信を持ちます。そしてマヤの手が速水真澄の頬に触れ、マヤが真澄の目を見つめながら必死に愛の告白のセリフを言った瞬間、速水真澄は感情を抑えられなくなり北島マヤを抱きしめます。

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最初、雨についての記事は1つだったのですが、読む際に10分以上かかる長さになってしまいました。そこで読まれるみなさまの利便性を考えて3つに分割をしました。

>> 「漫画『ガラスの仮面』の「雨」が物語る 北島マヤと速水真澄の未来・後編」に続きます。


編集履歴:

2012.7.4 19:25 冒頭にガラスの仮面のあらすじへのリンクを追加しました。「その場面の『お天気』をチェックするとわかるようだ」の一文を追加しました。
2012.7.4 23:29 歩道橋の箇所の冒頭に説明書きを追加しました。 2012.12.3 0:24 題名を「漫画『ガラスの仮面』にまさかのスマートフォン! −「雨」が物語る北島マヤと速水真澄の未来・前編−」から「漫画『ガラスの仮面』の「雨」が物語る 北島マヤと速水真澄の未来・前編」に変えました。
2013.1.23 17:06 引用部分を削除して、一部改稿しました。2014.4.30 15:€6 題名から「漫画『ガラスの仮面』の」を削除しました。

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