オルタナティブ・ブログ > 破壊的イノベーションでキャズム越え >

国境なきオープンイノベーション(C&D)で、世界のソフトを日本で仕上げて世界で売り抜く!

15年ぶりに古巣(住商エレ=現・住商情報システム)でプレゼンしました!

»

最後のプレゼンをいつにやったか、正確な記憶がないのですが、概ね15年ぶりに、住商でのプレゼンを行いました。

2009年10月28日「Webサイト落ちたらどうする?~アクセス集中による弊害と対策~」
http://www.vtest.jp/event/2009/20091028.html

■セッション1
アクセス集中による弊害と対策について
株式会社カサレアル
【概要】アクセス集中による弊害としてどのようなことが起こるのか、アクセス集中のメカニズムについてご説明をした上で、アクセス集中に対する対策パターンについてご説明を致します。

■セッション2
Webアクセス大量処理とその効果
 ~コストメリット有るCDNサービス、始めてますか?~
アクセリア株式会社

【概要】昨今、音楽や動画等のリッチコンテンツの増加やEC市場の活況により、インターネット上のトラフィックが年々増加しています。もっと見せたい、もっと売りたい、しかし、サイトが大きくなればなるほど遅くなる。そういったお悩みを抱えておられる方々へ、ユーザ様へスムースにコンテンツを配信するCDNサービスをご紹介します。また、弊社のCDNサービスを導入されていらっしゃる企業様によるご利用例もお話しさせていただきます。 

■セッション3
Web負荷テストツール「vPerformer」のご紹介
 ~ピーク時の性能・耐久性を把握できていますか?~
ライトスピード株式会社
【概要】
Webサイト/Webシステムにアクセスが集中するピーク時の性能・耐久性を簡単に確認することができる負荷テストツール「vPerformer」をデモンストレーションを交えてご紹介いたします。過度なアクセス集中によるレスポンスの低下やトラブルの発生を未然に防ぐため、Webサイト/Webシステムの性能・耐久性を確認しておくことが重要となります。

--

セッション3の枠を頂いていたのですが、当社担当のピンチヒッターとして、急遽登壇することとなりました。

住商エレで最後にプレゼンしたのが、Mercury Interactive社の総代理店として、WinRunnerやLoadRunnerの紹介セミナーだったので、同じ自動テストツールというジャンルでの15年ぶりの登壇で、気合いが入りました。

50名枠のセミナーで、ほぼ満杯でしたので、40名ほどの方に、ご来場頂いたかと思いますが、製品担当の通常プレゼンとはちょっと異なる自動テストツールの歴史的背景や、機能テスト・レグレッションテストのお話については、本オルタナブログの過去ログをご参照頂きたいというような、余談をお話させて頂いてから、本題の性能・耐久試験のお話をしました。

--

製品うんぬんのお話はさておき、機能テスト・レグレッションテストとは異なり(工事進行基準やデイリービルドとセットとなった機能テストという時代が、ここ数年で来るであろうという実感もありますが。)、負荷テストのツール活用については、急速に進んでいるという実感があります。

世界トップの高品質なソフトウェア開発が可能な日本ですが、過負荷・マルチユーザでの挙動については、バグが少ない高品質であっても、推測しきれずに、本番稼働後の思わぬトラブルに見舞われるということなのだと思います。

もちろん、ソフトウェアの設計やソースコード自体の問題も、あるかと思いますが、サーバやネットワーク環境のスペック、ミドルウェアなどの外部要因までは、経験則のみでは、本番時の状況を読み切れないという実情があるものと思われます。

よく聞くお話なのですが、

「フリーのツールで負荷を掛けたけど、本番稼働したらダメだった」

「商用ツールを使ったけれど、予算の都合で過負荷を掛けることができなかった」

「ツールは社内にあるけれども、他部門のソフトなので使えなかった」

「ツールは社内にあるけれども、ツールを使える人をアサインできなかった」

 ・
 ・
 ・

ということは、負荷テスト・マルチユーザでのテストが、できていないことになります。

「うちの環境はスケーラビリティがあるから大丈夫」 と、言い切れない。

HAインフラ、外部のクラウド環境・プライベートクラウドなど、冗長性・拡張性・可用性インフラがあれば、うまくいく!?

複雑化が進んでいるインフラです。

gmailも止まります。

止まると、損失がでたり、期待すべき利益を得られなかったり、そして、信頼性・期待・ブランドなどが低下するという、数値には表れない問題につながります。

--

当社はツールベンダーとしての立ち位置なので、今回のセミナーに講演協力頂いたカサレアル社(楽天グループから、テストツールベンダーでもあるテクマトリックス社グループになりましたが・・・orz)を含む多くのITサービスベンダーとの協業が前提とはなりますが、以下のようなシーンで、益々利用が進むものと想定しています。

  • プロトタイプレベルも含めた初期リリース時のアプリケーションのテスト
  • ハードウェア環境・ミドルウェア環境などのリプレイスやバージョンアップ時のテスト
  • サイジング
  • キャンペーン、イベントなどの過負荷状況を事前に想定するためのテスト
  • 性能要件・限界性能の提示など、エンドユーザの期待・要望に応えるテスト
  • スケーラビリティのあるシステムにおいての、基本ユニットでのテスト
  • 社内システムで、実際の各拠点からの想定するアクセス(負荷)を検証するテスト

社内システム、BtoBシステム、C(コンシューマ)向けシステム、CtoCシステムの何れにおいても、「やっておいた方が良い」という時代が来ているのだと思います。

ツール選定においては、フリーのツールでも、商用テストツール(DASQ=Distributed Automated Software Quality)でも、適材適所・人員配備状況によって、異なると思います。

当社のVerisium社製品が常にベストな選択ではないかと思います。

HPのQTP(QuickTest Pro)・LoadRunnerには、及ばないことが多いので、その際は、住商情報システムの担当者様を紹介させて頂いています。
私自身が立ち上げを担当した商品でもあり、自信を持ってオススメできます。
(予算とツール習得の時間的猶予のあるお客様に限定されますが)

また、IBMカスタマーにおいては、Rational製品もお勧めしています。
手厚い対応が可能なIBMの方々です。 難しいツールかもしれませんが、IBMさんには自社やパートナーに、多くの優秀なリソースがあるので、日頃からIBMさんとのお付き合いがあれば、かなり手厚いサービスが受けられると思います。

但し、今後のテスト自動化において、1つの重要テーマになると思われることは、ツールスペシャリストに属人化しないことだと考えています。

  • フリーのツール = 入手・利用開始は容易 / 使いこなすことと結果への保証
  • 高額な商用ツール = 入手が困難、使える人が限られる→外部のサービスも高価になる

難しい技術力やノウハウが求められる=ヒューマンリソースへのコストが掛り、アサインできないと、べきテストが実行できないという現象になってしまいます。

高級・高機能なテストツールも、Verisiumの登場が要因なのか、予算が厳しい昨今だからなのか、大幅なディスカウントを提示しているケースもあるようなので、ツール選定においては、

  • どのようなテストをすべきか内部でしっかりと検討する
  • 検討結果、必須を満たすツールを選定
  • 価格について商用テストツールベンダーと交渉、または、フリーツールでソフトウェア投資を抑制

という3ポイントが必須で、検討において、自社内のノウハウが不十分であれば、増加傾向にあるテスト自動化支援を行っているITサービスベンダー各社に相談をしてみるということも、重要な選択肢かと思います。

テストベンダーは、各社ごとに特徴・経験値・方針が異なりますが、スポット対応をしてくれて、後々に自社運用も可能な支援をしてくれるベンダー、頻繁にはないテストフェーズなので第三者検証というポジショニングも含めて支援をしてくれるベンダー・・・といったところで、負荷テストのツール活用に向けた第一歩が進むものと想定しております。

--

本ブログを書いているうちに、

2009/10/05 アプリケーションの機能テスト自動化が、なぜ進んでいないのか?

2009/10/06 アプリケーションの機能テスト自動化が、なぜ進んでいないのか? Part 2

2009/10/07 アプリケーションの機能テスト自動化が、なぜ進んでいないのか? Part 3

2009/10/13 アプリケーションの機能テスト自動化が、なぜ進んでいないのか? Part 4

2009/10/19 アプリケーションの機能テスト自動化が、なぜ進んでいないのか? Part 5

という、機能テスト自動化のブログとは別に、

「なぜに負荷テストツールは、急速に利用されるようになったのか?」

というシリーズも併行しようかと思いました。

また、オルタナブログに書いている内容と、それにご興味頂いている方とのセミナーイベント(パネルディスカッションや、テスト自動化に関するセッション)をここ半年以内に実施してみたくなってきました。

どなたか、共催・協力をご検討頂けるようであれば、是非ともコメントorご連絡してください!

--

最後に、セミナーのセッション2にてプレゼンされていたアクセリア社ですが、日本で最初のCDN網というか、牧野社長のプレゼンを拝借するとCDS(Contents Distribution Service)プロバイダーとして、成長を遂げています。

負荷分散環境は、ボトルネック解消の1つの重要な手段ですし、単なるCDN(キャッシュサーバの分散配置)ではないところに、アクセリア社の強み・独自性があることを確認できました。

慶應義塾大学や奈良先端大学との関係があることも、当社と類似しており(といっても、当社は、 H.264エンコーダーの寄付を含む共同研究@慶應、研究のプロトタイプアプリケーション開発@奈良先端 というレベルでしかありませんが。)

偶然にも、ベンチャーをスタートさせた15年まえからの知人(友人と書かないと怒られるかもしれませんが、アクセリア社に移った事を聞いていなかったので、敢えて)が、同社の取締役に就任していたので、今後の協業もスタートしそうな感じがしています。
(余談ですが、「第91回全国高校野球選手権大会」インターネット広告配信を担っていたところも、私のnon-ITネタの1つと、かなり重複しています。)

--

--

Comment(0)