HTC butterfly HTV31ハンズオンイベントレポート~聴けばわかる音へのこだわりを体感
6月5日発売に発売されたKDDIの2015夏モデル『HTC butterfly HTV31』のハンズオンイベントが、HTC NIPPONの主催で開催されました。
会場は東京駅から徒歩数分、八重洲にあるONKYO東京オフィス2Fの「Gibson Brands Showroom TOKYO」(個人的には1981年ごろONKYO Integra A-815Dプリメインアンプを使用していたのでなんとなく懐かしい)、イベントの企画運営がスマホ関連のITmedia MobileではなくAV機器のITmedia LifeStyleというあたり、『音へのこだわり』という意図がはっきり伝わって来ます。
さておき、近年はKDDIからのみスマートフォンをリリースしているHTCですが、2012年5月発売のHTC J ISW13HT以降は、従来のコア層向けの商品から大きく方向転換して、より幅広い総に受け入れられるデザインや機能を実装してきました。
その後も、HTC butterfly HTL21(2012年12月9日発売)、HTC J One HTL22(2013年 6月 1日発売)、HTC butterfly HTL23(2014年 8月29日発売)と順調にファン層を拡大し、自身も各モデルを使用してきただけに今回のHTC butterfly HTV31での進化っぷりが気になるところです。
まずは基本性能。 メインカメラは20.2Mピクセルで後からフォーカスを変えられる2つ目のレンズを搭載したHTC DUO CAMERA、セルフィーブームで昨夏モデルよりも大幅に画素数をアップしてきたインカメラが1.3Mピクセル、ディスプレイも5.2インチ・2,560×1,440(WQHD)と高精細な大画面、4K(3,840×2,160)動画撮影に対応、OSは最新のAndroid 5.0 LOLIPOP搭載、TVはワンセグ・フルセグ対応、防水 IPX5/IPX7・防塵 IP5X、といった長く使える安心のハイスペックです。
これに、192kHz・24bitのハイレゾオーディオ対応ということで、過去最強のHTCスマホに仕上がっており、本稿ではイベントでフォーカスしていた『音へのこだわり』についてレポートします。
HTC NIPPON新社長の玉野浩氏はオーディオ好きだった
玉野氏 http://www.htc.com/jp/about/leadership/ は今年1月に社長に就任してまだ間もないこともありベールに包まれた感がありますが、実はオーディオ好きということで、今回のHTV31への気合いの入ったプレゼンからスタートしました。
HTCは、今まで数年、アイアンマンのロバート・ダウニー・ジュニア氏にいろいろイメージを作ってもらってきましたが、今回はナレーションだけではなく台詞(せりふ)もすべて書き起こしてもらったとのことです。
HTC One narrated by Robert Downey Jr.
今回のKDDI向け新製品は、このHTC One M9をベースにして開発されています。
HTCの歴史について、1997年設立の若い会社で、ずっとOEMメーカーを継続し、2007年からHTCブランドとして展開してきた経緯があります。 世界で稼働している携帯電話が全人口の約半分となる36億台も毎日使われており、フィーチャーフォンからスマートフォンへとシフトするなかで他社との差別化を図る必要がありますが、2008年に世界初のAndroidスマートフォンをリリースするなど、業界初のチャレンジで今のポジションを築いてきました。
今回の新製品HTC butterfly HTV31は、レッド(Rosso)、ホワイト(Silk)、ブルー(Indigo)の3色展開。
来場者に覚えてほしいことは3点のみで、セルフィー(自撮り)、サウンド(音へのこだわり)、進化した飽きのこないカスタマイズ可能なユーザインターフェイスSENSE 7。 また、世界初となるSan Diskの200GBのMicro SD(国内発売時期未定)に対応しています。
外観は、伝統的な素材(プラスチック)を使用しながらも、メタル調に仕上がっています。
カメラは、セルフィーで奥の人までキレイに撮れるのは1300万画素だからこそ。
新しいHTC Senseは、GPS位置情報により勤務先、外出先、自宅などの場所を判断して、よく使うアプリのアイコン自動表示や並べ替えをしてくれるなどのカスタマイズが強化されています。
そして、サウンド。家で聞いている良い音楽を外に持ち出して聴いてもらうというコンセプトです。
HTC BOOMSOUND(ブームサウンド)は、ステレオスピーカーを搭載し、中でホーンのような形になっていて音の厚みがでるように開発。端末の薄さによる限界をDOLBY Audioで補っており、ステレオスピーカーやヘッドホンでのバーチャル5.1chサラウンドを体験できます。
また、アンプはスピーカー用とヘッドホン用で2つを独立させて内蔵しており、DSPアンプが複数帯域の振幅周波数特性をコントロールするなど、高度なデジタル処理でバランスの良い音を生み出します。
更に、今回から192kHz/24bitの高品質なハイレゾ音源の再生にも対応したことで、音へのこだわりの本気度がうかがえます。
HTC Connectは、再生中の音楽や動画している画面を3本の指でスワイプすることで、HTC Connect対応デバイスでストリーミング再生が可能です。
HTV31は、サンディスクの大容量microSDXC 200GBに対応しています。
SunDisk長瀬陽子さんが来場者プレゼントを用意して登壇
今回のイベント参加者には、サンディスクのAndroidスマートフォン用USBメモリー新商品「ウルトラ デュアル USB ドライブ 3.0」がプレゼントされ、プロダクトマーケティング部の長瀬陽子さんが同社のメモリー製品についてプレゼンテーションを行いました。
SunDiskを知ってる方?、SunDisk製品を使ったことがある方?と来場者に質問してその反応に笑顔の長瀬さん
スライドさせることで、microUSB とUSB3.0で利用が可能
ダウンロード数200万超のAndroidアプリ「SanDisk Memory Zone」の説明があり、「ウルトラ デュアル USB ドライブ 3.0」をAndroidスマホに挿すとアプリが自動起動するなど、その場で試してみましたが使い勝手は良さそうです。
トークセッション「スマートフォンによるハイレゾ再生」
モデレーターに野村ケンジ氏(オーディオライター)、パネリストに麻倉怜士氏(デジタルメディア評論家)とHTC NIPPON玉野浩社長の3名でトークセッションが繰り広げられました。
冒頭、麻倉氏が「ハイレゾとは?」ということで、丁寧な説明があり、CD登場からのデジタルよりもレコード時代のアナログのほうが音が良く、いかにアナログにいかに近づくかという流れで、このハイレゾが生まれたとのことです。 2005年にスタートしたe-onkyoのハイレゾ音源配信は楽曲数が大幅に増加して、アニソンを含む幅広いジャンルの楽曲がダウンロード購入できるようになったことで、ハイレゾを楽しめる時代になったということです。
玉野社長からは、HTC J butterfly HTV31のハイレゾ認定でオーディオ協会に行った際、これがスマホの音なのかと驚かれるほど良い音が出ていたというエピソードもあったとのことです。
用意されたジャンルの異なるハイレゾ音源の楽曲をHTV31で再生させて来場者みんなで試聴した後に、各楽曲について「ドンシャリではなく自然で重心が低くて落ち着いた大人の音」「会場で録ったときの空気感、響いた音の再現性」「1つ1つの楽器の音がCDで聴こえなかった音がきちんと聴こえている」「ハイレゾがむき出しにするマイキングの下手さ(ハイレゾだから伝わってしまう)」といった評価をしていました。
タッチアンドトライコーナーでのハイレゾ音源体験
ONKYOの1Fに用意されたタッチアンドトライコーナーには、ヘッドホンが用意されており、早速、ハイレゾ音源をチェック。 自分が使っているスマホとは異なり、トークセッションでの評価そのままに、音がしっかり聴こえて、特にリー・リトナーの曲はとても懐かしく、昔のレコードで聴いたときのようなリアルな迫力のある音を体感できました。
オーディオ好きでなければ、日頃からハイレゾ対応のヘッドホンなどを持ち歩くことはないかもしれませんが、店頭に体感できるデモ環境があった際には、スピーカーからのBOOMSOUNDやヘッドホンからの厚みのある音をぜひとも体感して欲しい、そんな商品に仕上がっていました。
参加者の感想を聞いてみたところ、『ハイレゾ対応なはずのXperiaよりも良い!ぜんぜん違う』といった声も。 同じ「ハイレゾ対応」を謳っても、各デバイスで特性・特徴は違うのは当然ですが、ハイレゾ対応スマホは、音の再現性や厚みなどで大きな差となることも確認できました。
また、似たようなスマホからの脱却を理由に、使われないような新しい機能を搭載して個性をウリにするのではなく、実用的な基本機能・性能の音とカメラでしっかりと差別化を図ってきたHTC J butterfly HTV31は、この2015夏モデルの中でも頭1つ抜きん出た機種であり、安心して買えるお勧め機種です。