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日本代表監督に聞く ロンドンパラリンピック セーリング日本代表監督 水津岳太郎さん

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 色々なスポーツの話を聞いていると、日本代表チームがあり海外で戦っているスポーツも多くあります。そんな日本代表チームの監督さんにお話を聞いてみました。チームとしをまとめる力は、もしかしたらビジネスのヒントになるかもしれません。これからちょこちょこと掲載していくのでぜひご覧ください。

第一回目はロンドンパラリンピックに出場が決まった、セーリングチームの日本代表監督の水津岳太郎さんにお話を伺いました。アマリカスカップにも出場されたことのある水津監督。どのようにチームをまとめているのでしょうか。

 

P6171836.jpg◆まずはパラリンピック出場おめでとうございます!出場権を獲得していかがですか?

 まず反響の大きさに驚いています。出場権獲得直後は各方面からのお祝いや祝電、マスコミからの取材など予期していなかったことが続きました。いよいよ本番が間近に迫ってきた最近では、活動を支援して下さる個人・法人の皆様からの激励の言葉も多くなってきました。責任を感じると共に、チームの大きなモチベーションとなっています。

◆前回の北京パラリンピックは出場できず、今回は2大会ぶりの出場です。ロンドンパラインピック出場に向けて特に力を入れたことを教えてください。

 監督就任後、まず感じたことはこのチームには負け癖がついていること。そして、人任せという点でした。まず選手のこの気持ちを変えていくよう指導していきました。パラリンピックへの挑戦は、障害者ヨット体験乗船会ではないんだということを徹底し、練習で失敗したり、レースで負けたりしてもヘラヘラしている選手たちを時に怒鳴り、時に基礎から繰り返し反復させました。

 またヨットの準備や整備にしても、ボランティアスタッフに極力手を貸すことを禁じ、選手本人に任せることにしました。自分の道具は自分で準備・チェックする、これはヨット競技においては当たり前のことなので、責任感につながります。とにかく戦う集団としてのメンタルづくりに力を注ぎました。

◆今回、出場するのはSONARクラス(3人乗りのヨット)です。視覚障害者の方がお1人、脳性まひと脊椎損傷によって車いすを利用されている方が2人の3人チームです。水津さんはアメリカスカップにも出場し、経験豊富だと思いますが、障害者の方を指導するときに特に注意していることを教えてください。

 まず一般の障害者の方と日本代表候補チームとの指導は区別して考える必要があると感じます。一般の障害者の方を指導する場合はやはり怪我をさせないことです。その方たちの技量・経験により練習日の風速が無理のないものであるか。その方たちのヨット上での行動半径はどの程度か。その方たちを桟橋からヨットに乗り移るときの手段はじゅうぶんか。その方たちに適した十分な人数のスタッフがいるか。海上での飲食や排尿、排便をすることは可能か。体温調整は可能か。などを、事前に調べます。

P6171826.jpg 日本代表候補チームの指導に関しては、どうしても手助けが必要なこと以外、普通のアスリートと同等に指導します。心・技・体を鍛えるということです。先の質問でも答えましたが、彼らには強い気持ちで挑んでもらいたいからです。「障害者だから・・」を言い訳にさせず、強風のコンディションでも海に向かわせます。自然をなめてはいけないことを暗に伝えるためです。まぁ、鬼監督ですかね。もちろんそばで見守ってはいますよ。そのかいあってか、最近やっと彼らにも自覚が芽生えてきたように感じています。

◆中々全員そろっての練習をすることは難しいとお伺いしました。ヨット競技では各ポジションごとの連携が重要になってくると思います。そういったチームワークはどのようにして築き上げていきますか?

 代表チームの強化合宿は月に一度、愛知県蒲郡市でおこなっています。代表候補選手は関東や九州、関西方面から合宿に参加してくるため、愛知県は位置的に日本の真ん中になるので集まりやすいです。ここでの合宿を通じて、寝食を共にする。これがチームワークを築いていく手段となっています。

 ヨット上での反復練習はもちろんですが、まず寝食を共にすることでそれぞれが人間性や趣味嗜好をしり、海上でおこる様々な困難に3人だけで立ち向かっていけるよう、こいつとなら共に海に出てもいいという信頼感を持たせます。共に食べて、寝て、わだかまりやフラストレーションを溜めさせぬよう時にはアルコールの力も借り、すべて吐き出させます。

◆監督としては選手のモチベーション管理にも気を使っていることと思います。全員がそろっての練習ができないとモチベーションを維持するのも大変だと思いますが、どのようにフォローされていますか?

 モチベーションの維持など個人の問題として対応できる強いチームになってくれるのが理想です(笑)がまだまだで・・。まず第一に監督が選手を依怙贔屓しないこと。これは確実に選手のモチベーションを下げる行為です。私がそう思ってなくても、選手がそう感じる場合もあるので選手と話す機会やメールのやり取りを多く持ちます。内容はヨットのことばかりではなく、近況や仕事のことなどもあります。

 選手には合宿中でない時間、選手の日常の時間の過ごし方が大事だと伝えています。ヨットに乗れないからと、ヨットのことを考えないのではなくその逆でイメージトレーニングに多くの時間を費やせと伝えてあります。この時代ですので、資料や映像はネットを通じていくらでも手に入ります。個人的にルールの勉強をしたり、海外レースの映像を見ろと。また国内の他競技の代表選手のトレーニングの様子などもモチベーションを上げさせます。教材として、私から合宿中に撮影した映像や海外チームの動向なども送ります。

◆最後にパラリンピックへ向けた意気込みをお願いいたします。

 私としてもパラリンピック挑戦は初めてのことで、監督として非常に気持ちが昂ぶっています。とにかくその日まで(本番初日)に、すべきことはすべてやる、やれるべき準備はすべてやる気持ちでいます。結果はともかく、その日を泰然自若として迎えられるよう、その日までの一日一日に万全を尽くします。

◆水津さんありがとうございました!

何度かお話を聞かせていただいていますが、非常にユーモアのある方で鬼監督にはとても見えません。しかし、いったん船上の人になると、その経験から様々な指示を出しています。本番まであと3ヶ月を切りました。ぜひ水津監督のもと一致団結してパラリンピックで活躍してほしいですね!

日本障害者セーリング協会

http://homepage2.nifty.com/charity-net/
 

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