通信キャリア主体のモバイル決済
前回の"Google Wallet"の文末にてご紹介した、"Verizonが最近販売したSamsung NexusでGoogle Walletを採用しなかった"理由の一つが、通信キャリア主体で進めているモバイル決済のジョイントベンチャーと言われている。
アメリカで大手通信キャリアと言えば、Verizon、AT&T、Sprint、T-Mobileがあるが、このうちVerizon、AT&T、T-Mobileの3社が主体となり、NFC技術を利用したモバイル決済を推進する目的で"Isis"というジョイントベンチャーを昨年設立した。
Mastercard、VISA、American Express、Discoverといったクレジットカード会社もパートナーとして参加しており、また、モバイル決済の安全性を高めるために、デジタルセキュリティの第一人者であるGemaltoという会社が提供するセキュリティソリューションを採用することも最近発表されている。
Isisは、2012年中にSalt Lake Cityでパイロットプログラムを実施する予定となっている。
Salt Lake Cityの交通システムは既にNFC対応のインフラストラクチャーが整っていることが、パイロットとして選ばれた大きな理由である。
消費者にとってのメリットと言えば、携帯デバイスひとつで買い物ができたり電車に乗れるだけでなく、ロイヤルティプログラムや割引クーポンとの連携により、携帯デバイスをかざすだけで割引などが適用される点もある。
ところで、大手通信キャリアでIsisに参加していないのは唯一Sprintで、SprintはGoogleとのパートナーシップによりGoogle Walletをいち早く採用したのも頷ける。
日本ではおなじみの光景かも知れないが、アメリカではまだまだこれから。