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「競り下げ」不発?という記事が日経2011年8月18日朝刊に掲載されていました。
「競り下げ」と書かれると何のことか分かりませんが、リバースオークションのことです。

オークションの仕組みは、皆さんご存知ですが、逆に安値を指値していくリバースオークションは馴染みがないので、仕組みの面白さに注目されます。

調達の仕組みとしてのリバースオークションは、10年前から普及しましたが、調達コスト削減の切り札になったという報告は聞いたことがありません。

今回の政府の調達10件の入札では、調達コストは7%~1%増加し、震災復興財源の捻出は夢と化したそうです。

なんという勉強不足でしょうか! リバースオークションは逆に調達コストが高止まりするといった報告は、すでに沢山出ています。

米国郵政公社では、5年間で2500億円の調達コスト削減を実現しています。
使われた手法は、対話型調達システムCombinNetです。

このシステムのポイントは2つあります。
1つ目は、サプライヤーが逆提案出来ることです。自社の強みを発揮する為に、代替え品目を提案したり、組お合わせ購入を提案することが出来ます。
2つ目は、バイヤーが数々の購買シナリオを作成し、各シナリオの調達コストを即座に計算することが出来ます。

ところが、複数の逆提案と、複数の調達シナリオの組合せは、膨大な探索空間が生まれます。この組合せの最適解を説くのは至難の技です。ところがCombinNetではこの最適解を解くエンジンを提供しており、数十秒で最適解を得ることが出来ます。

今回の政府の調達担当者は、この対話型調達システムを検討したのでしょうか?
このブログで過去何回もこのシステムを書いてきましたが、残念ながら問合せはありませんでした。

10年前に、その効果の評価が出ているリバースオークションの仕組みを、今更トライして、効果がなかったことを発表する政府の勉強不足は驚くばかりです。

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